10月1日からぎゃらりー二桜舎で書画展を開催する 渡沼礼子(れいこ)さん 福田在住 73歳
創作が生きる意欲に
○…2007年から2年に1度、小学校からの同級生が営むギャラリーで個展を開催している。今年は10月1日から12日まで、書き溜めてきた書と墨彩画28点を展示する予定だ。当初は1回のつもりだったが、200人以上が来場し、口々にほめてもらえたことで更なる創作意欲が湧いた。「ただ、自分で納得しない作品は出したくない。なので2年ごとにしてもらいました」と笑う。
○…箱根町の土産店の三女として生まれる。箱根神社の氏子総代を務めていた父親の達筆な字に憧れて、高校から書道を始めた。一時は離れたものの、子育てが一段落した40代に「かな」を再開。その後は現代書にも傾倒し、研さんの日々を送った。「没頭すると周りが見えなくなる性格。筆がすり減るくらいに書き続けていました」と苦笑を浮かべる。書が上達すると、次は水墨画にも挑戦。10年をかけて学んだ後、「自分の画風」を生み出すことが生きがいになった。
○…今から9年前、肺の病気でご主人が他界した。心に穴が開いたように、何も手につかない日々が2年続いた。「色の無い世界に迷い込んだみたい」と当時を振り返る。そんな時に、友人が差し出してくれたのが「冬のソナタ」のCDだったという。耳に流れてきた韓国人歌手・Ryuさんの歌声が心に染み、「光が戻ってきた」のを感じた。外出できなかったのが嘘のようにコンサートに足を運び、ファンクラブにも入会。曲からインスピレーションを受けて、2年ぶりに作品を書くこともできたという。
○…2人の子どもにも恵まれ、同居する息子さんは一番心強い応援団だとか。「喜んで協力してくれるから、頑張れる」。健康のため、毎日の散歩とサプリメントを欠かさず、現在は南米の民族楽器ケーナを習うために新宿まで通う。「今は毎日が本当に充実している。病気なんてしていたら、もったいなくて」。満面の笑みが浮かんだ。
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