大和商工会議所の会頭に就任した 宮東 悠さん (株)クドウ 取締役会長 76歳
「就任演説を手本に」
○…11月6日午後に開かれた大和商工会議所臨時議員総会で新会頭に選任され、1994(平成6)年の会議所発足から数えて5人目、8代目の地域経済界トップに就任した。若くして単身渡欧し「腕一本」で繁盛店を作り上げた洋菓子職人。「こういう時は背広にネクタイがいいのでしょうが、私の正装はこれ。自信と誇りを持って着ています」そう話しながら胸元の白いボタンをひとひねりした。「良い事には意欲的に取り組む。若い人よりも私のほうが元気じゃないかな。検診を受けても悪いとこはどこもない」、大役に臨む準備は整っている。
○…1937(昭和12)年、東京麻布の生まれ。へその緒が首に巻きつき仮死状態で生まれ、木から落ちて気絶し、バスにひかれ「三度も九死に一生を得た」。戦火を逃れ疎開した軽井沢で中学時代まで過ごし、高校進学を機に東京へ戻った。卒業後はドイツ人が経営する洋菓子店「麻布ジャーマンベーカリー」の門をたたいた。26歳から4年間はスイス、ドイツ、ノルウェー、スウェーデン、イギリスで修業を積んだ。「疎開先では『東京もん』、ようやく東京に戻ったら今度は『田舎もん』、ヨーロッパでは『日本人』と常に異人でした」
○…30歳で帰国し、代官山の老舗洋菓子店「小川軒」を経て林間に洋菓子店「欧風菓子クドウ」を開業した。第一線を後進に譲り「のんびりしようと思っていた矢先に」周囲から請われ副会頭に就任したのが3年前。「若いころから、できる範囲で地域と携わってきた。『この歳で』というよりも『今なら』との思いで会頭の任をお引き受けした」と話す。「『地域の経済団体として自分たちが社会に何ができるか』これを真剣に考え、多くの人を巻き込みながら実践していきたい。最近はそうした取り組みも数多くあるので楽しみにしている。ジョン・F・ケネディの就任演説を手本に取り組む」と抱負を語った。
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