大和市政に意思決定を与えて監視し、時に必要な条例をつくる。議会がもつ本来の権限を行使するにあたり必要な役割と責務を示す議会基本条例が12月議会で制定され、この元日に施行された。2014(平成26)年の年頭にあたり、大和市議会の大谷仁議長(58)=4期・新政クラブに話を聞いた。
定数適正化は「議論が必要」
―新年、あけましておめでとうございます。
昨年1年を振り返り印象に残った国内外や市内の出来事をあげてください。
まずは、市民の皆様に謹んで新年のごあいさつを申し上げたいと思います。また、旧年中の市議会に対する温かいご理解とご支援に対しまして、心からお礼を申し上げたいと思います。
昨年、印象に残った出来事ということですが、いろいろと思い返されるなか、やはり2020年オリンピック・パラリンピック競技大会が東京に決定したことでしょうか。日本全体が明るくなる大きな出来事だったと思います。
議会基本条例
―一昨年から市議会が取り組んできた議会基本条例が昨年12月議会で制定されました。議会内での議員間議論について議長はどのように評価していますか。
大和市議会基本条例検討協議会での32回に及ぶ議論を中心に全議員が、一丸となって合意形成を図りながら「大和市議会基本条例」を作り上げました。ここでの議論が、正に議員間討議の実践だったと思います。市議会はこれまでも数度にわたる議会改革の協議を経て市民に開かれた議会運営に努めて参りましたが、2014年は新たな議会改革のスタートにしたいと思います。
意見交換会
―議会基本条例の条文をつくる過程で、昨年10月に市民との意見交換会を勤労福祉会館で開きました。議会が市民に一歩近づいた印象をうけました。議長ほか大半の議員が出席されましたがいかがでしたか。
このような機会は、本市議会初の試みでした。厳しいご意見などもいただきましたが、各議員にとってもよい経験になったと思っています。また、これをきっかけに市民の方々にも議会により興味を持っていただけたらと考えております。
改革を具体化
―昨年12月に制定され、今日1月1日に施行された大和市議会基本条例に基づいて、今後は具体的な議会改革がさらに進められるかと思います。1年半後には改選となりますが今期中に取り組むべき課題などがあればお聞かせください。
議会基本条例で定めた請願者・陳情者の意見陳述については、手続きや運営方法などについて早急に決めていきたいと思っています。また、意見交換会の実施方法などについても、各会派と相談の上、具体的な方向性を出していきたいと思っています。条例を作って終わりにしないように議会改革を継続したいと考えています。
議員定数
―現在の大和市議会の議員定数は28です。法定上限が撤廃され市議会が自ら能動的に決めた定数です。現行の定数について議長のご所見をお聞かせください。
議員定数については、いろいろなご意見があることは承知しています。議会基本条例でも、住民の意思を反映するために必要な数を考慮して別に条例で定めるとしていますので、そこをどう捉えていくか議論を重ねる必要があると思っています。
初の条例制定
―一昨年12月に、大和市議会としては初めて政策的な条例を議員提案で制定しました。制定プロセスやその後の実効性などについてどのようにお考えでしょうか。
商業振興条例は、一つの会派が中心となって各会派との意見交換やパブリックコメントなどを行い、議案として上程し議決、制定に至りました。今後のモデルケースの一つになると考えています。条例の実効性については、議会としても今後の執行状況をしっかり見守っていくことが大切であると考えております。
2年目迎えて
―大谷議長は就任から1年半が経過しています。これまでの市議会議長は慣例による任期が1年でした。これを2年に改めたわけですが実際に2年目も半ばを過ぎての感想はいかがでしょうか。
議会基本条例の検討段階から制定するまで議長として一貫して関わり、結果を出すことができました。一つのことにとことん取り組むには1年任期では短いでしょう。議会改革の手を休めることなく、さらに市民の皆様に関心をもっていただける議会になるように努めて参りたいと思っています。
より良い年に
―最後に2014(平成26)年は、どのような1年にしたいですか。
新しい年が、市民の皆様にとりましてより良い年となることを心から願っています。今年は市議会といたしましても、議会基本条例の施行を契機に議会改革の一層の推進が図れるものと考えております。今年も引き続き、全議員が市民お一人おひとりの声に対し真剣に耳を傾け、皆様のご意見やご意思が市政に反映されるよう、議会としての役割を十二分に果たして行きたいと考えています。
―お忙しい中、ありがとうございました。
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