大和南京玉すだれと演芸の会の会長を務める 長谷川 和宣さん 下和田在住 68歳
一歩踏み出せば変わる
○…「アさて、アさて、さては南京王すだれ……」。軽快なリズムに乗って、竹のすだれを釣竿や橋などに見立てて操る。毎月第2水曜日に社会福祉会館で8人の仲間と共に練習に励み、高齢者施設などの慰問にも出向く。1月29日には1日体験会を企画。「一見難しそうに見えるけど、コツをつかめば、誰でもできるようになります」と笑顔。「失敗しても、ご愛嬌。それくらいゆとりの心を持っていきましょう」と微笑む。
○…アマチュア落語家の集まり「大和落語演芸倶楽部」の一員で『三流亭迷惑』の名でも活躍している。玉すだれとの出会いは5年前、「高座の前座に”つかみ”として使えるかも」と体験会に参加した。その面白さに魅了され、すぐにマイすだれを購入。次々と演目を習得した。「動きが大きいので子どもも大人も、喜んでくれるのがうれしいね」。現在では、傘まわしなど他の大道芸にも手を伸ばし、芸に磨きをかけている。
○…横浜市保土ヶ谷区で生まれ育つ。「口下手で、大学時代まで友だちもいなかった」と苦笑い。就職するも、人付き合いは悩みの種。その分、大勢を笑わせることができる芸人に憧れていたという。27歳のある日、会社の飲み会で密かに温めていた腹話術を披露した。「思いがけず大うけで、自分が一番驚いた」。以来、営業やタクシーの運転手など仕事は変われど、社内のイベントでは「なんかやって」と引っ張りだこ。「まさかこんなに人前でしゃべる人間になるとは。人生わからないね」とはにかむ。
○…「年を取るほどに新しいことに挑戦したい」と、社交ダンス、料理教室とカレンダーに隙間はない。一昨年に習い始めた新日本舞踊では女形に挑戦。流し目やしぐさは、女性そのもの。「まだ息子には秘密、この姿を見たら卒倒するかな」とニヤリ。体力維持もかねて、朝刊の新聞配達を続けている。「無理せず、マイペース。まずは健康でいることが大切です」
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