引地川に生息するハグロトンボを調査している市民団体「柳とあそぼう引地川」(飯塚栄子部会長・会員18人)が6日、東京農業大学厚木キャンパスで開かれた日本昆虫学会関東支部の大会で研究成果を発表した。
「柳とあそぼう引地川」は泉の森を中心に活動する「しらかしのいえボランティア協議会」の部会のひとつで1995年に発足。引地川の自然護岸の保全と生息生物の調査をしている。
同団体がハグロトンボの調査を始めたのは2004年。ハグロトンボは、体長約 60㎜で胴体が細く、羽が黒いのが特徴。平地の小川などに広く生息していたが、1975年には大和市から姿を消したとされていた。それが2004年に引地川で大量に観測されたことをきっかけに、原因などを調べるために調査隊を発足。専門家にも指導を仰いだ。
成虫の個体数がピークを迎える7月と8月の年2回、観測を開始。11年にわたり、山下橋からふれあい広場までの2・7Kmを12区間にわけて、右岸、左岸2人1組にわかれ個体数をカウントし続けてきた。
市民による科学活動に期待
今回の学会には関東を拠点に全国で昆虫をテーマに研究調査している18団体が参加した。飯塚部会長とメンバー2人がプレゼンターとして、11年間の個体数の推移をグラフ化し、集中豪雨や水生植物などの自然環境の変化による増減についても講演した。
同調査に携わってきた東京農業大学昆虫学研究室客員研究員の田口正男さんは「日本で環境市民活動の成果が学会発表に結びついているのは先駆的ですばらしい」とコメント。飯塚部会長は「市民、行政を含め、引地川の自然護岸保全に関わってきた多くの協力により実現できた調査だと思います。今後も取り組んでいきたい」と話していた。
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