大和市では近年、小中学生の学校図書館利用率・貸出冊数がともに増加傾向にある。これは、学校図書館の環境を整備して児童生徒・教員が有効に活用できるようにする市の取り組み「やまと学校図書館活用推進プロジェクト」の成果が形になってきているとみられる。
市教育委員会に所属する学校図書館スーパーバイザーが集計したデータによると、市内の小中学校に通う児童生徒が昨年度学校図書館で借りた本の冊数は、小学校では1人あたり年約28冊、中学校で年約8冊とともに前年度に比べ4、5冊ほど増加。さらに、学校図書館に入館した回数も、小中学校ともに1人あたり約6回増加した。
このように、市内の小中学生の学校図書館利用率が向上している理由として考えられるのが「やまと学校図書館活用推進プロジェクト」の影響だ。
このプロジェクトは、児童生徒の読書活動を推進するために、市教育委員会が中心となり進めてきた取り組み。市は、市内にあるすべての小中学校学校図書館の改修・増築、蔵書にバーコードを張り付ける電算化、県内初となる学校司書の全校配置など学校図書館の環境を整えてきた。また、全校一斉朝読書を行うなど、各校で年間30単位時間の読書時間を確保することなどを呼びかけてきた。
さらに、県内で初めて配置されたのが、学校図書館の抱える課題を解決する専門スタッフ「学校図書館スーパーバイザー(SLS)」。SLSは各校の学校図書館を年に3回ほど定期的に訪問、学校司書や教員に配架方法や学校図書館を授業でどのように活用するかなどについてアドバイスしている。
今年の3月で丸3年、市のSLSとして活動してきた藤田利江さんによると「子どもたちの読書量が増えている背景には、朝読書などで読書時間が確保されていること、研修の強化により学校司書がスキルアップしたこと、学校図書館の蔵書量が増加していることにある」という。「大和市の小中学校図書費は小学校で約80万から90万円、中学校では180万円ほどと県内でもトップクラス。それに伴って、学校図書館の蔵書量も小中学校ともに年々増加しています」。藤田さんは「小学生から図書館を利用し読書する習慣がついていると、中学生になっても自然と図書館に足が向くようになります。プラスの連鎖ですね」と話している。
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