2017年の幕開けにあたり、本紙では大木哲市長にインタビューを行った。2016年を振り返ると共に、2017年への抱負について語ってもらった。(聞き手/本紙・大和編集長 高野いつみ)
――明けましておめでとうございます。まずは2016年を振り返って、大和市にとってはどのような年でしたか。
「昨年は、大和市が目標に掲げる『健康都市』の取り組みを、国内外の方に広く知っていただくことができた1年だったと思います。
まず、11月3日に、大和駅東側プロムナード沿いに文化創造拠点シリウスが誕生しました。芸術文化ホールや図書館、生涯学習センター、屋内こども広場などで構成する大型複合施設で、連日多くの市民が訪れています。本市を代表する文化の発信地として発展し、市民の皆さんに愛される施設として光り輝き続けると確信しております。
また、11月下旬に中国・上海で開催されたWHO(世界保健機関)の国際会議に、大和市が日本を代表する基礎自治体として招待され、健康都市に関する多様な取り組みを発表しました。8月に韓国・原州で開催された健康都市連合国際大会においても、本市は2つの賞を受賞しており、『健康都市』の実現に向けた取り組みが、世界的にも高い評価を受けることができたのではないかと思います」
――現時点での17年度の予算編成や市税収入の見通しは。
「市税収入につきましては、法人市民税では企業業績に減速感が出ていることから減収、市たばこ税についても、喫煙者の減少により減収となる見込みです。
一方の個人市民税につきましては、賃上げによる所得の増加により増収、固定資産税についても、家屋の増加などにより増収が見込まれることから、市税総額では、前年度と同程度を確保できる見通しを立てています」
中央林間整備に着手
少子高齢化施策進める
――第8次大和市総合計画のなかで市は将来都市像を「健康創造都市やまと」とし「人、まち、社会」の3つの健康づくりの推進を掲げています。09年に策定されてから8年が経過しました。これまでの取り組みや成果はいかがでしょうか。
「私はこれまで、『健康』こそ全ての活動の源泉と捉え、健康都市の実現を旗印に、市民の健康に資する取り組みを進めてきました。市政の主役は『人』であることから、人の健康を中心に据え、少子高齢化に対応するための事業など、さまざまな施策を展開しているところです。
今後も『健康』を軸に市政を進め、『健康都市』の実現に向けて、まい進してまいります」
――文化創造拠点「シリウス」が昨年11月に開所しました。オープンから2カ月になりますが反響などはいかがでしょうか。
「11月3日の開館以来、大変ご好評をいただいており、開館から26日目の11月28日には、早くも累計来館者数が、大和市の人口23万4千人を上回りました。
特に健康をコンセプトにした図書館や本格的なホールやギャラリーで開催される多彩で質の高い催し、予約なしで自由に利用可能な交流スペース、大型遊具を備えるこども広場などが人気を博しています」
――IKOZAのある市南部、市中部の文化創造拠点の整備事業が一区切りし、今後は市北部の整備が課題になってきます。15年10月に策定された「中央林間地区まちづくりビジョン」では18年度に施設完成を目指すとされていますが、進捗状況はいかがですか。
「ビジョンの中では、新たな2箇所の拠点施設について整備の方針を掲げています。一つは旧市営緑野住宅跡地を活用した、スポーツやさまざまな市民活動などに使っていただける交流施設と子どもの遊び場です。もう一つは駅東側の東急中央林間ビル3階の一部を借りて設置する図書館や子育て支援施設、市民課窓口です。
16年はそれぞれの施設整備の実現に向け、基本計画の策定や基本設計を実施しました。そして、17年はいよいよ実現に向けて具体的に動き出す年になります。
中央林間が大きく変わっていくことを期待していてください」
――17年の幕開けにあたり、抱負をお話しください。
「本市は昨年、『認知症1万人時代に備えるまち やまと』を宣言しました。認知症を予防し、適切な医療・介護につなげる取り組みを進めるとともに、市民の皆さんが理解を深め、互いに支え合うまちづくりに力を注いでまいります。
また、昨年4月1日時点で、厚生労働省の定義に基づく保育施設の待機児童数がゼロとなりました。多様な保育施設の整備を推進し、入所定員を過去3年間で約1400人分拡大してきた成果の表れと思います。子育てしやすいまちの実現のため、引き続き全力で取り組んでまいります。
少子高齢化が加速し、社会的にもさまざまな課題が山積しておりますが、スピード感をもって各種の施策を推進してまいります」
――最後に、大和市民へ向けてメッセージをお願いします。
「『健康都市』を目指す本市の取り組みは、国内外において各種の賞を受賞するなど、高く評価されてきました。これは、市民の皆さんからの、力強いご支援、ご協力があったからこそだと考えています。本年も、皆さんのご期待にお応えできるよう、市政に取り組んでまいりますので、よろしくお願いいたします」
――ありがとうございました。
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