大和市と綾瀬市を管轄する大和警察署の管内で、振り込め詐欺の発生件数が11月末時点で117件と、神奈川県内の全警察署の中で唯一、3けたに達している。年末となる12月は例年、振り込め詐欺の件数がほかの月よりも増える傾向にあるため、さらなる被害の拡大が懸念されている。
被害額2億円に迫る
今年1月から11月末までの集計で、大和署管内の振り込め詐欺発生件数は117件。これは前年の同月末と比べて55件増えており、ほぼ倍の件数となっている。100件を超える発生件数は、県内の全警察署で大和署が唯一となっており、断トツのワースト1。また、被害額は約1億9千万円で、同じく前年同月比で約6800万円増えた。
手口としては、息子や娘、孫など親族のふりをする「オレオレ詐欺」が63件(前年同月比23件増)、税金などの返還があるとATMを操作させて金をだまし取る「還付金詐欺」が36件(同12件増)、融資を提案し、その手数料などの名目で金を支払わせる「融資保証金詐欺」が1件(同1件増)、アダルトサイト使用料などの名目で金を振り込ませる「架空請求詐欺」が17件(同7件増)となっている。
キャッシュカードだまし取る
もっとも発生件数が多いオレオレ詐欺でも、最近は新たな手口が増えている。 以前は、子どもや孫の会社の同僚のふりをした犯人が、自宅に現金を取りに来る「現金手交型」が主流だった。しかし今は、「キャッシュカード手交型」が急増している(表2参照)。
「キャッシュカード手交型」は最初に、有名デパートの店員や銀行員をかたる犯人が「今、あなたのキャッシュカードを使った人がいる。警察に通報している間に逃げられてしまった」と電話をしてくるところから始まる。その後、銀行協会や警察官役である別の犯人から電話で「悪用されたキャッシュカードを再発行するので、今から家に回収に行く」と連絡が入り、さらに自宅にやってきた犯人が「再発行に必要なので暗証番号を教えて」など様々な理由をつけて、暗証番号を聞き出す手口だ。
年末は被害増加の懸念
大和署の担当者は、「被害に遭った人のほとんどは、振り込め詐欺の存在を知っていたが、『まさか私が』とだまされている」と状況を説明する。
振り込め詐欺の中でも税金などの名目が使われる還付金詐欺は、特に年度末の3月と、年末の12月に急増する傾向にあり、同署ではPR活動などを通じて注意を呼び掛けている。
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