下福田地域の地鎮神として知られる若宮八幡宮(福田509の1、久保寺基夫責任役員代表)で7月30日、新築した鐘楼の竣工式が行われた。寛保2(1742)年に建設された鐘楼は、老朽化のため数年前から再建の検討を開始。地域住民からの奉賛金もあり、今年1月から工事が行われていた。
7月30日の竣工式では、管理元神社である五社神社(綾瀬市早川)の宮司による神事が行われ、役員や建設した有限会社松本社寺建設(鎌倉市)ら関係者が参加した。
風雨で「寿命数年」
若宮八幡宮は、福田地域を開拓した福田九人衆の1人、保田筑後守の守護社である田中八幡宮(代官)の「若宮」と考えられ、仁徳天皇が祀られている。創立年は不明で、元禄11(1698)年に、この地を治めていた地頭中根氏が再建した。
鐘楼は1742年に建設。現在の梵鍾(釣り鍾)は昭和61(1986)年に製造された2代目だが、鐘楼は建設から275年間建て直されていなかった。風雨により、かねてから腐朽が確認されており、木材で補強するなど応急処置をして使用。しかし、次第に傷みは大きくなり、数年前に専門家が「寿命は短く数年」と診断。診断結果を踏まえ、役員会内に鐘楼建設委員会(関水孝委員長)が設置され、検討を始めた。
1013世帯から奉賛金
委員会で議論を重ね、取り壊しと再建を決めた。しかし、多額の費用が必要なことが判明。委員会では「せっかく再建するのであれば、長く持つ素材、良い造りにしたい」と考え、昨年4月に下福田の地域住民に主旨を説明し協力を依頼。結果として1013世帯から奉賛金の協力があった。費用の目途がつき、今年1月に安全祈願祭が行われ、解体を開始した。
新築された鐘楼は、柱は23cm角のケヤキ、屋根は銅板葺切妻屋根(どうばんぶききりつまやね)で、建設委員、役員名簿などが記載された棟札も鐘上部に設置された。梵鍾は2代目のものが引き続き使用されている。関水委員長は「地域の皆様の協力もあり、耐久性と重厚感のある立派な鐘楼が完成した。正月などには多くの地域の方が鳴らしに来てくれると思う」と感慨深げに話した。
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