大手と伍し、地元・大和で活躍する企業人を紹介する「Power of Bond in YAMATO」。第7回は、南林間で「あかり食堂」や「はあと訪問看護ステーション」を運営するハートピット株式会社の代表取締役・野間康彰さん(46)。
介護の現場で見つけた居場所
高校卒業後、夜間大学へ通い、昼間働いた。飲食店、中古車販売、商社、リフォーム会社…。いくつも職業を変えたのは、努力では如何ともし難い不平等感や金銭が絡む商売に、仕事として楽しみを見いだせなかったから。
23歳の時、町田市の広報に掲載された在宅介護支援センターの紹介を見て「お金が絡まず、誰かのためになる仕事」として福祉の仕事に興味を持った。すべての施設に電話をかけ求職、「ヘルパーなら」と脳梗塞で倒れ、認知症の症状を持つ男性の散歩介助の仕事を紹介された。会話も歩行もままならない中、1日3時間の付添い。最初は戸惑ったが、その家族が自分を頼りにしてくれた。「自分が認められた、居場所を見つけた感覚」があった。以来20年。介護の世界は、文字通り天職となった。
繋がりからニーズを拾う
介護の仕事を始めると、要介護者を抱える家族やその周囲からの不安・孤立に悩む声が耳に入ってくるようになった。その声は、子育て世代との交流でも聞かれた。彼らの姿はかつて居場所のなかった自分と重なった。
介護をツールに、地域のつながりを生み出す居場所作りをめざし、形にしたのが「あかり食堂」だった。介護や育児の相談を聞き、発信できる場所を提供する。時に食事をしながら、酒を飲みながら地域のつながりは、緩くそして大きく広がっていった。話を聞き、相談に乗ることで、自分に何ができるのか、見つけていった。訪問看護ステーションや10月にスタートした訪問リハビリテーションは、地域で感じたり、拾ったりした声を形にしたものだ。
「変化しながらどこにたどり着くのか」。そのゴールは見えているという。今はその過程を楽しみたい、とも、そこへ向かうためのエンジンを強くしなくては、とも話す。介護の世界に居場所を見つけ、その視線は、揺らぐことなく真っ直ぐに前を見据えている。
※ ※ ※
公私の区別がつけづらい中、『Bond HONDA』でのひと時は、ゆったりとできる貴重な時間。「女性の多い美容室は少し入りづらくて…。でも床屋だと雰囲気違うし…」と一昨年の同店オープン以来、一本槍。自分の時間を取り戻す、新しい居場所になっている。
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