大和市民農園運営委員会の会長を務める 中島 稔碩(としひろ)さん 南林間在住 83歳
「生涯現役」を地で行く
○…夏はトマト、秋はさつまいも、冬は白菜…。市を通して借り受けた農地を20平方メートルずつ分け、その区画内で自ら好きな野菜を育てる市民農園。利用者で構成される運営委員会のトップを10年以上務める。委員会では初心者でも美味しく作れるよう講習会を企画し、利用者が抱える悩みにも答える。「利用者主体は責任が伴うが枠に縛られない運営ができる。初心者でもサポートがあるので問題ありませんよ」と胸を張る。
○…会長として目指すのは、単に土いじりをして収穫するだけでなく、利用者同士の交流も実りあるものにすること。同じ農園で過酷な気象条件をも共にする「ご近所さん」は、顔見知りというより「同志」。「いま私の隣はバングラデシュの方で、日本では見ない栽培の仕方を学べる。まさか国際交流もできるとは」と笑顔。仕事をリタイアした高齢者の新たな生きがいの場としても人気だという。
○…自身も市民農園に足を踏み入れたのは退職後。それまでは仕事一筋で、航空機からごみ収集車まで扱う大手輸送機器メーカーで品質管理に勤しんだ。「質を保ちつつコスト削減」という難題に対して、細かな工程を一つひとつ洗い出し解決の糸口を見つけるサイクルは、農作業にも生きている。「効率よく良い野菜を作るには、土や品種まで細かく考えないといけない。失敗も多いが、そこが楽しい」
○…年齢を感じさせないピンと伸びた背筋、快活な語り口。今でも「働いていないと生きている気がしない」と週3日ガソリンスタンドで勤務する。「大和市は70歳代を高齢者とは言わないが、80代の私でもまだまだ。これまでの役職やプライドにしがみつかなければ、必要とされる限り生涯現役ですよ」と少年のように高らかに笑った。
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