初の著書『洒落に魅かれて』を出版した 福島 剛さん 福田在住 79歳
「洒落」が光る世に
○…「最近ニュースをにぎわす政治家の失言や『パワハラ』は、どちらも当人の言葉の貧しさが根底にある。現代人は悲しいくらいに余裕がないんですよ」と開口一番、肩を落とした。国語教育に携わった経験を生かして、言葉に対する募る思いを形にするため、初の書籍を今年4月に出版。古今集から江戸小噺まで、日本に根付く「ユーモア」の系譜を辿り、現代日本人には「洒落」こそ必要だと論じている。
○…生まれ育ちは綾瀬。小学5年生で教員を志したのも、厚木高校で本が好きになったのも、東京教育大学で古典の面白さに気付いたのも、全て熱心な先生に強く影響を受けたから。「自分も子どもに良い影響を与えたい」と茅ヶ崎と綾瀬の中学校で教鞭をとり、綾瀬市の教育長も7年務めた。現役時代の人気ぶりは、今回の本出版を記念して初めての教え子たちが祝賀会を企画してくれたことからもうかがえる。
○…退職後、源氏物語に心を奪われて21回も読んだことが自慢。読めば読むほど伝わる紫式部の言葉に対する執念に突き動かされるように、自身の解釈を綴る長文のブログ『源氏物語便り』の更新は700回を超えた。ほかにも、70株ほどの野草栽培や、国内旅行もライフワーク。「多趣味なので、長い休みがとりやすい教師は良い職業だった」と冗談めかして笑う。
○…すでに次回作も構想中で、テーマはもちろん「洒落」。「『笑点』を見ていても自己卑下や悪口が目についてつまらなくなったと感じるので、分析して論じたい。昔は気の利いた洒落が多かったと思う」とキッパリ。かくいう自分も洒落の利いたことを普段から言っているつもりだが、「駄」洒落になってしまい…。「妻にも孫にも、『また言っているよ』と相手にされません」と苦笑いした。
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