難治性小児がん『小児脳幹部グリオーマ(DIPG)』の患児と家族を救済するための活動を続ける高木伸幸さん(市内西鶴間「壮健堂治療室」代表)らが、日本製薬工業協会に治療薬開発研究推進を求める要望書を提出した。同会への要望書提出は、国内で初めて。今年は日本で「国際小児脳腫瘍学会」も開かれる年でもあり、DIPGの患児や家族にとっては、新しいステージの幕開きの1年になるかもしれない。
DIPGは、脳幹に悪性脳腫瘍が発生する難治性小児がん。残念ながら、手術は難しく、抗がん剤も効かない、治療法のない難病の一つ。日本国内では年間約40〜70 人の子どもが発症し、診断と同時に余命宣告をされ、有効な治療法もないまま1〜2年でほぼ全員が死亡する小児がんの中でも最も死亡率が高い疾患。高木さんも2013年に当時11歳の愛娘・優衣奈さんをDIPGで亡くしている(本紙2019年8月16日掲載※)。
娘さんの死後、高木さんは小児がん患者の環境整備のための活動を始める。整体院の仕事の傍ら小児がん撲滅を目指す「トルコキキョウの会」を立ち上げ、厚労省に小児脳腫瘍の研究体制確立などを求める要望書を提出している。今年6月21日から軽井沢で開催される「国際小児脳腫瘍シンポジウム(ISPNO)」では、会場で国境を越えて患者同士がつながりを持つ交流会『ファミリーデー』を開催するため実行委員会を立ち上げ、事務局長を務めている。
要望書は、高木さんが実行委員長を務めるDIPGシンポジウム開催実行委員会と小児脳幹部グリオーマの会(貫井孝雄代表)の連名で提出。重度の悪性希少がんであるDIPGの治療薬開発研究の推進を求めた。日本製薬工業協会は、研究開発志向型の製薬会社73社が加盟する任意団体で、要望書提出には、加盟社社員の協力もあった。高木さんは「今後もこの分野の課題解決に尽力していきたい」と話す。
高木さんは、6月のファミリーデー開催の運営費などをクラウドファンディングで募る。サイトは「READY FOR(レディフォー) 」で開設は1月中旬の予定。
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