(公社)大和市医師会(小林米幸会長)が9日、鶴間中学校(西舘真弓校長)に感謝状を贈った。同校の生徒から、新型コロナウイルス感染症への対応に、日夜奮闘する医療従事者へ感謝の思いを綴った手紙が寄せられたことに対し、感謝の思いを伝えるために贈ったもの。小林会長は「子どもたちの気遣いに心打たれた」と話す一方、鶴間中の生徒たちも自分たちの行動で「大人たちが喜んでくれた」ことに驚いていた。
手紙は、休校期間中に出される家庭学習の課題とは別に、西舘校長から「特別課題」として出されたもの。「社会で起きていることについて、自分で考え、発信し、行動できる人になってほしい」との思いから、西舘校長は、学校近くの介護施設への手作りマスクの寄贈と医療従事者に向けた手紙の作成を呼び掛けた。
マスクは30個程集まり、介護施設に届けられた。医療従事者への手紙は、全校生徒の約3分の1に当たる120人超から寄せられた。西舘校長は、自らの主治医でもある小林会長に、「大和市の医療従事者に生徒たちの思いを届けてもらえれば」と1冊に束ねて託した。
コロナで気づき「利他の心」
心が震えた――。生徒たちの手紙に目を通した小林会長は「子どもたちが我々医療従事者に気を遣ってくれていることが嬉しかった」と話す。小林会長は医師会の役員会で「生徒たちに感謝の気持ちを伝えたい」と、感謝状の贈呈を諮り、了解を得た。
手紙は、医療従事者への感謝や感染の恐れがある中で休みなく続く医療行為に対する労いの言葉の他、医療従事者の負担とならないよう、感染拡大防止のために責任ある行動をとるよう心掛けることや医療従事者を将来の夢にしたこと、医療従事者やその関係者に対する差別への憤りなど、中学生たちの様々な「気づき」も記されていた。小林会長は「コロナ騒動で、人は一人では生きていけないこと、自分の命と同じように他人の命を大切に思うことを中学生なりに感じとっている」と感心した。
「大人が感動」生徒も驚き
医師会から感謝状贈呈の申し出に、今度は「大人が反応してくれたことに生徒たちが驚いた」(西舘校長)という。西舘校長は「生徒たちには、自分たちが真剣に向き合えば、大人にも心が通じることを知ってもらえたのでは。新しい学習のきっかけになる」と喜んた。
感謝状の贈呈は、医師会の理事会の冒頭で行われた。贈呈式には、生徒会長の泉まいこさん(3年)を始め、生(ぬく)見(み)明彩(あい)さん(3年)、内田朱音(あかね)さん(2年)、住澤一朗君(2年)の生徒会役員4人が参加した。泉さんは「作文に書いたことを忘れず、胸に刻んで学校生活を送りたい」と感謝を述べた。
今回の感謝状を受けて生見さんは「したくてした私たちの些細な行動を喜んでもらえとても嬉しい」と喜び、内田さんも「自分たちの思いが届いたことに感動した」と素直な思いを口にした。両親が医療従事者の住澤君は「喜んでもらえ、力不足の自分たちでも何かできると思えるようになった」と力強く語った。
生徒たちは贈呈式の前に、小林会長にインタビューを実施。その時の様子を、同校の給食時間の放送で流すほか、生徒会新聞の臨時増刊号で掲載し、各クラスに掲示する予定だという。
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