8月22日に「市民福祉のつどい」を開く市ボランティア連絡協議会の会長を務める 田邊 季子さん 上和田在住 88歳
○…新型コロナの感染拡大は、地域の奉仕活動にも暗い影を落とした。緊急事態宣言の発出により、市内の公共施設が長期閉館。これにより、拠点を失った団体が活動休止や解散に追い込まれた。8月22日にイオンモールで開催する「市民福祉のつどい」では、自身が会長を務める市ボランティア連絡協議会に所属する9団体をパネルや映像で紹介。「多くの方に活動を知ってもらい、ボランティアに関わる方を一人でも増やしたい」と意気込んでいる。
○…埼玉県秩父市に生まれた。小学生の時期は太平洋戦争と重なり、「食べ物がなく苦しい毎日だった」と振り返る。それでも、お金に困っている人を見かければ、持っていた小銭を手渡す心優しい女の子だった。そんな当時の自分を「お節介な娘」と表現。ボランティアに熱心な性格はこの時からだった。
○…結婚を機に大和へ。長らく専業主婦として家庭を支え、40歳を迎えるころに参加した手話通訳者の講演会が転機となった。全国には30万人を超える聴覚障害者がいることを知り「手話を学び、力になろう」と決意した。1975年、知人と共に手話サークル「双和会」を立ち上げ、現在に至るまで同会の会長を40年以上にわたり務める。団体名の「双」は聴覚障害者と健常者の双方を意味する。「支え、支えられる。そういう社会になってほしい」
○…協議会と双和会の会長職を来年退く意向だ。今後は後進の育成やこれまで培ってきた経験の継承に努めたいと考えている。だからといって第一線を退くつもりはない。「元気な間はボランティアを続けたい。まだ当分は”お節介”でいようかな」。子どものころと変わらぬ優しさで「人生の一部」である奉仕活動に邁進する。
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