脳梗塞の影響で左半身に麻痺を抱えながら卓球療法士とインストラクター講師の資格を取った 山田 正明さん 中央林間在住 70歳
ピンポンがくれた生きがい
○…昔から身体を動かすのが大好き。学生時代はスキーに凝り、スキーのトレーニングのために、と50代でマウンテンバイクを始めた。休日には毎週のように60Kmを走破。その日も気持ちよくペダルを漕いで帰宅。風呂で汗を流し、脱衣所に出ると貧血のような感覚に襲われた。意識が戻り、立ち上がろうとするが、力が入らない。脳梗塞だった。異変に気付いた家族に助けられたが、左半身に麻痺が残った。「明日から会社はどうなるのだろう」。30代の頃、社長と2人で会社を興し、責任ある立場にいたが、手足の自由が利かず、運転もできないため引退。「80歳まで働くつもりだったのに」と悔しさを滲ませた。
○…3か月の入院を経て、リハビリ病院へ転院。主治医から「後遺症がひどい。このままでは一生車いすだよ」と言われ、闘志に火が付き、リハビリに精を出す。「今思えば、奮起させるためだったんだよね」と懐かしそうに感謝の笑みで応える。
○…リハビリ病院を退院後、機能訓練のデイサービスを探していた時、「負けず嫌いの山田さんにピッタリの場所がある」と教えられたのが卓球をリハビリに取り入れた施設。卓球台の反対側から機械がリズムよくピンポン球を打ち出すのを見て即決。今では機械相手なら600回のラリーを繰り返すことができる。
○…卓球を通したリハビリ経験から、自らも卓球療法士の資格を取得。さらにインストラクター講師として介護施設の「利用者」から「就業者」になる可能性を示した。「同じ立場の人に勇気を与えられたら」と意欲的。今後の夢は、自らの経験やリハビリに卓球が効果的であることを伝えるため、施設の代表と全国各地での講演なども考えている。「全国回って、旨い物食って、温泉入りたいね」と野望を口にした。
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