2011年3月11日に発災した東日本大震災。東北の復興が着実に進む一方、熊本地震や鬼怒川水害、西日本豪雨など日本各地が自然災害に見舞われている。そんな中、震災直後の選挙で市議初当選を果たし、以来ボランティア活動を続けている古谷田力議員と町田零二議員に、ボランティア経験から見えてきた課題や防災対策について話を聞いた。【企画制作・古谷田力応援団】
熊本・常総・倉敷…
2人のボランティア経験から教えてください
古谷田─2011年から4年間は陸前高田(岩手県)に20回位。その後、熊本に3回、常総(茨城県)、真備・倉敷(岡山県)にも行きました。
町田─東北にはこの8年で40回以上行きました。常総は知り合いの依頼で、会派(明るい未来・大和)の皆で。倉敷も皆で行きました。熊本は益城町の指定管理者や阿蘇市に伝手があって古谷田さんと。
古谷田─常総では、鬼怒川の堤防決壊で水に浸かった幼稚園の片づけと消毒作業をし、午後に一般家庭の床下の汚泥搬出作業をしました。熊本は皆で行った後、大和で大和ピエロチャリティライブをして、阿蘇市に義援金を持っていきました。阿蘇市は地震の半年後に噴火(中岳)があって。火山灰の処理にも苦慮していました。
東日本大震災の発災時とその他の災害とで何か違うことはありますか
町田─東日本の震災後も各地で多くの災害が発生しましたが、自治体や社会福祉協議会などによるボランティアの受け入れ態勢の構築が早くなっていました。常総より熊本、熊本より倉敷の方が素早く、より体系化されていると感じました。
古谷田─ボランティアを派遣する側もそう。岡山は「神奈川のボラバスが一番早かった」と喜んでくれました。東日本の津波と違い、豪雨による浸水だったので、家屋を解体する踏ん切りがつかない住民の方も多くて。「ボランティアに来てもらったことで、背中を押してもらった」と言ってもらったのが印象的でした。
災害に備えて
これまでの活動を通じ、大和で教訓となるようなことはありますか
町田─がれきは初動段階での分別が大切です。災害直後は、がれきを敷地外へ搬出したり、緊急車両を通すために道路脇に寄せ、山積みにしたりするのですが、搬出の際に分別を徹底することで後の処理が早まり、復旧・復興のスピードアップにつながります。その点、熊本は徹底していました。
古谷田─重機が使えるとかダンプカーが運転できるなど、特殊技能を持つ人を事前に登録しておく仕組みがあると良いと思います。チェーンソーが使える、マニュアル車が運転できる、ロープワークが得意など。多くの情報の集約が復旧・復興を早める力になるはずです。
町田─「3・11」以降、避難所運営の意識は高くなりましたが、乳幼児やしょうがい児・者、認知症の高齢者への配慮について、事前に決めておくことも必要になるでしょうし、ペットの扱いをどうするかも課題です。
古谷田─心の病気などで避難所での共同生活が難しい人がいる家族のため、空き家を避難所として活用するのも良いと思います。農家と協定を結んで、ビニールハウスを防災農地として提供してもらうなど、出来ることはあります。また日頃からひとり暮らしの高齢者など、災害弱者になりうる人たちと顔の見える関係を作っておくことも大切です。
町田─奥尻島の津波(1993年北海道南西沖地震)は、多くの義援金が集まり、復興も早かったのですが、過疎化は止まりませんでした。大災害は、その地域が元々抱えていた問題を加速化させ、深刻化させます。大和市にとって「復興とは何か」を考えておきたいですね。
若い人たちに伝えたいことはありますか
町田─災害が「起きた時」のことはもちろん「起きた後」に私たちは何をするべきか。若い人たちにはとにかく現地に行き、肌で感じて、考えてほしいと思います。
古谷田─被災地に行かなければわからないこともあります。また災害が多かった時代だからこそ、開発された新しい技術やモノもあります。それを伝えていくのが僕らの使命。3・11を前に改めて肝に銘じたいですね。
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