河 原 口坊中遺跡 柄付の石器が出土 「ハンマー説裏付ける資料」
(財)かながわ考古学財団が調査を行っている河原口坊中遺跡から、木製の柄が付いた石器が発掘された。財団担当者によると、腐食しやすい木の柄と石器がセットで発見されるケースは全国的に見ても稀で、弥生時代中期から後期にかけて人類がハンマーのような道具を使っていた、いわゆる「『ハンマー説』を裏付ける資料となる」としている。
「柄付石器」は弥生時代中期の川跡の泥中地層から出土した。直径およそ9cm、厚さは最大で約3cmの円盤状の石に、直径およそ2・5cmの穴が開いており、穴に差し込まれた状態の柄が折れている状態ではあるものの、16cm分残っていた。
土壌環境が功奏
同遺跡からはこれまでにも木製品の出土が多数、確認されている。通常であれば、腐食してしまうことが多いとされる木製品だが、相模川流域の立地であるため、土壌には水分が含まれ、酸素に触れにくく、木材が腐りにくい環境が整っているという。
この環境が木製の柄を腐食から守ったと見られている。財団担当者によると柄が付いた状態の石器が確認されたのは県内では初。全国的にみても数例のみの研究価値の高い出土物と位置づけている。
今回、見つかった石器と似た形状の石器は各地で見つかっている。この形状の石器については、物をたたく道具と考える説と、魚をとる際に使われた網に結びつけ、重りとして使っていたと考える説に研究者の間でも見解が分かれている。
しかし今回、「柄付石器」が発見されたことにより、「弥生時代中期から後期にかけて、ハンマーのように物をたたく行為があったことを裏付ける資料になる」としている。
同遺跡は厚木駅の北西およそ1Kmに位置する。弥生時代から近世に至るまでの集落跡で、同財団が相模川河川改修事業、さがみグリーンライン(自転車道整備)事業に伴い、県相模川総合整備事務所の委託を受け、5年前から発掘調査を行っている。
これまでに複数の住居跡や溝状遺構などが見つかっているほか、弥生時代後期に、祭器として用いられたと考えられる青銅製の小銅鐸や銅釧など銅製品も出土している。
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