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豊受大神のしめ縄を編む 駒本 昭蔵さん 杉久保南在住 83歳

公開:2011年12月2日

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永遠の工作少年

 ○…「しめ縄には左右飾る向きがあって、2本を組んで編んでいくものと、3本のものでは、巻く方向も違うんだよ」。身振り手振りで楽しそうに話す。5年ほど前に頼まれたのがきっかけで、毎年12月になると1週間ほどかけ豊受大神の門に飾る長さ5メートル、直径15センチほどのしめ縄を3組作る。「何でもそうだけど準備が大変。もち米のわらは米より長くて軟らかい。農作業をしてないから、手の皮が薄くなった。すっかり”都会人”になったもんだよ」。

 ○…小さいころからものづくりが大好きで、ナイフ片手に、遊び道具はすべて自分で作った。「当時は皆そうだった。小遣いもないし、店も雑貨屋が村に1軒あっただけ。駅も10キロ先だしね」。東北の農家では雪が降る時期は米俵などを作るわら細工が当たり前の風景。その記憶が再び蘇ったのは定年を迎えるころ。「この後、何しよう」と悩んでいた時、そば屋の店頭でふと目にしたわら細工に「これならできる」と見よう見まねではじめるようになった。今では近隣寺院のお守りとして愛されている1センチほどのミニサイズのぞうりをレーヨン糸で作る。

 ○…宮城県生まれで、25歳で上京。下宿先の家主の紹介でいすゞ自動車に入社。トラック生産工場に配属され、川崎、藤沢と渡り歩くも35年間トラックづくり一筋の現役生活を送った。「当時は紹介がないと入社できない時代。自動車産業が花形の職場だったし運が良かったね。とにかく働くところが欲しかったから、ものづくりが仕事にできて本当にうれしかった」と目を細める。

 ○…「作るのは大変だけど好きだから。それに頼まれたら嫌と言えないし、喜んでもらえるのがうれしくてやってる。豚もおだてりゃ何とかだよ」。気がかりは後継者がいないこと。でも「体がもつ間続けるよ。楽しみだからね」。昨年のしめ縄を愛おしそうにしばらくの間じっと見上げた。
 

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