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取材協力/海老名総合病院 新春特別医療レポート 「愛される医療」に向け安全面を強化 内山喜一郎 病院長
2008(平成20)年に民間では県内初の地域支援病院の認定を受け、海老名市をはじめとした綾瀬、座間の県央域において、地域の中核的な急性期病院としての役割を担う海老名総合病院。今年は新たに循環器センターに不整脈専門医を配置するなど、進化し続ける同院の内山喜一郎病院長に今年の目標について聞いた。
医療安全の充実をテーマに
―昨年は「断らない救急」がテーマでしたが今年のテーマをお聞かせください
今年は「医療安全」をテーマに掲げていきます。昨年は「断らない救急」を掲げ、結果40%ほど受け入れのお断りが減少しました。これには職員の意識の高まりや救急医の配属などがあります。また夜間のお断りも減りました。目標はお断りの件数をゼロにして、すべての患者さんをお受けしたいのですが、それをクリアするには、医師や看護師の充足が一番の課題で、少なくても救急医3人、救急看護師5人の増員が必要です。他の救急病院でも人員不足は慢性化していますが、人的用件が満たされればもっと引き受けができると考えています。
当院は急性期病院ですから、救急が医療の基本であり、引き続き「断らない救急」をテーマに努力して参ります。もうひとつのテーマとして「医療安全の充実」を掲げていきます。
―具体的には
「医療事故」いうと誤解を招きやすいですが、院内で起きうるさまざまな事故などのリスク回避です。足の不自由な患者さんの転倒防止のために看護師が付き添いケアをする。トイレなどは、中で転倒する可能性もあり難しい面もありますがそうした事故防止です。
また薬品の使用ルート、服用時間、飲んだ、飲まないなどを厳重に管理しなければいけませんので、看護師が必ずダブルチェックをしています。入院中は患者さんの手首にバーコード付のリストバンドをはめてもらっていますので、看護師が患者さんの名前と薬が合っているかの確認など気を抜かず、常に慎重を期しています。どんなに医療機器が進歩しても最終的には「人の力」が大事になります。そうした高い意識を持つための教育も徹底しています。
院内感染の予防を徹底
―「院内感染の予防」にも積極的に取り組んでいらっしゃいます
インフルエンザ、ノロウイルス、MRSA、緑膿菌など感染症対策も力を入れていきます。ウイルスや細菌の感染で体力が弱った高齢者や、手術後の患者さんなどは症状が重篤化します。院内で流行しないように、「外から感染症を持ち込まない」「院内で広めない」などスタッフ教育を実施しています。
―3つの委員会を設けて取り組んでいますが
前回の医療レポートで佐藤由美子看護師がお話したように、当院では院内感染予防にさまざまな対策を採り設備投資もしています。これらは病院の収益には全く結びつかないのですが、院内を清潔にすることで合併症を減らし、その結果患者さんが早く良くなれば入院日数も減り、支払う医療費も減り患者さんの利益につながる。これが当院に課せられた責務と感じ、見えないところにも妥協せず、きっちりと安全対策を実施しています。
手術に関しても、体内に残す結紮(けっさつ)糸も以前は絹の糸を使っていましたが、今は合成糸です。その中にはナイロン糸や吸収糸があり、吸収糸は日にちが経つと体内で分解され吸収されてしまいます。最近は腹腔鏡下手術も進歩して、小さな傷で患者さんの体への負担を減らし、手術時間も減らすことができます。その結果、回復も早くなり、間接的には感染症の予防につながります。
「意識して見直しが必要」
―日ごろからこうした取り組みは実施していたにもかかわらず、あえて今年のテーマにしたのはなぜ
2013(平成25)年に病院機能評価の認定更新を行います。一度審査を受けるとしばらくはきちんとしますが時間とともに緩みがちに。それを防ぐのが目的です。新たに認定されるためにも「医療安全」はとても重要です。その見直し準備に1年はかかると考え今年のテーマにしました。安全管理委員会が各部署から報告を受けた『ヒヤリ・ハット』の事例を毎月1回検討し、常に改善をしています。これは今後も継続し「事故ゼロ」を目指します。
「さらにしっかりした組織づくりが必要です」
―今年から新たに取り組むものはありますか
循環器センターに不整脈専門医を配置します。県央地区では不整脈専門医はあまりいません。当院は4疾病(脳卒中・がん・急性心筋梗塞・糖尿病)4事業(救急・災害・周産期・小児)を推進しようと努力を続けています。それには不整脈治療は欠かせないため、専門医を置くことを決めました。これにより心臓の機能面においても「より高度な」医療の提供ができるようになります。
―常に進歩していますね
ただ病院の組織構成はまだまだ未熟です。これからもしっかりした組織づくりをしていきます。職員各自が自分で考え、自分で実践できる自立した組織にしたいと思っています。
―そのために何を
運営の透明化です。そのために一昨年から「バランスドスコアカード」を導入しています。院内のコミュニケーションがスムーズになり「何をするか」が明らかに。今年は全部署に導入し、組織の透明化をアップさせます。毎日「何のために働くか」「自分の役割が何か」が分かり、仕事がしやすくなる。そうしたしっかりした組織の上に、質の高い医療が重なることでいい病院になると考えます。
海老名市民の皆様の期待に応えられるようスタッフ一丸となって本年も努力して参りますので、よろしくお願いいたします。
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