大谷地区で数十匹の鯉のぼりを揚げる「四区親睦会」の会長を務める 児島(こじま)文之(ふみゆき)さん 大谷南在住 68歳
兄貴気質の行動派
○…「なんかすんべぇよ」。仲間と畑で酒を飲みながら出た、この一言で始まった大谷の鯉のぼりは10年目を迎えた。「しっかり持てよ。ケガすんなよ」。支柱を立てる男たちの中にひときわ声を張りあげる姿がある。「東西、南北はどうだ」。まっすぐかどうか最終確認。すぐさま大空に鯉のぼりが泳ぎ始めた。「今年も揚がったな」と空を見上げてニッコリ。家に戻ると鯉のぼりの新聞記事や写真を見せてくれた。
○…18歳の時に貿易商社へ就職。ライバルたちに負けまいと必死に努力した結果、会社での成績はトップに。それでも出世の道は学歴社会の時代。その社会に納得がいかず、地元で商店をかまえることを決意。当時、最新の棚式冷蔵庫を取り入れたことは、今やどこにでもあるコンビニの前身として業界を驚かせた。朝は3時に起きて、バイクをまたぎ牛乳配達と空瓶の回収に回った。「冬は寒くてさ。バイクのマフラーに手を寄せて温まったもんだよ」
○…コンビニや大型スーパーなどが進出してくる中、地元の商店を盛り上げるために、先頭に立ってオリジナルブランドとして作りあげたのが、市の特産品に認められている「いちごわいん」。目の前にあるファイルに手を伸ばすと、中には仲間と苺を運ぶ姿や記念式など喜びを分かち合う写真がズラリ。「当時は本当にみんなよく頑張った。怒鳴りあう喧嘩をするぐらい一生懸命やって仲を築き上げてきたんだよ」と写真を見つめる。
○…「遠くの親戚より、近くの他人だな」。自治会長や消防団長の経験を生かして安心して暮らしていける地域作りに心血を注ぐ。「おれの勝手なおせっかいなんだけどな」。取り出したファイルには地区に住むお年寄りが全員記録済み。「ここで骨を埋める仲間なんだから、仲良くやりてぇんだよ。はじめは強面に見られるけど『話したら違った』って、しょっちゅう言われるんだ」。笑いながら棚へファイルを戻していく。
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