大谷歌舞伎の部会長として郷土芸能の継承に尽力してきた 伊田 和己さん 大谷北在住 84歳
歌舞伎と共に60年
○…「『よしやってやろう』そんな気持ちだな」。市の重要無形文化財で、かながわの民俗芸能50選にも選ばれている「大谷歌舞伎」。あす2日、海老名市民文化祭に出演し2幕を披露する。大谷歌舞伎は農民や商工業者、主婦らで構成されている地域住民の自主性で維持・発展してきた農村歌舞伎。今回「仮名手本忠臣蔵・七段目祇園一力茶屋の場」の主役を最後に、60年の役者人生にけじめをつける。
○…歌舞伎を始めたのは25歳。青年団の先輩に誘われたのが役者人生のはじまりに。初舞台の「白波五人男」は今でも鮮明に覚えている。かつらをかぶる際「『お前は頭がデカイが脳ミソがないな』なんてしょっちゅうからかわれていた」と青年時代を懐かしむ。昨年まで大谷芸能保存会の歌舞伎部会部会長として、長きにわたり「大谷歌舞伎」の継承と後継者の育成に尽力してきた。「このまま役者を続けるのは筋が通らない」と自らのライフワークとなった役者にけじめをつけ、一線から退く決意をした。「まだまだ若いものには負けないし、やれる自信はある。でも寂しさもあるね」と本音をポロリ。
○…大谷生まれ大谷育ち。農業を生業に現在もトマト栽培に従事する。40歳を前に仲間と温室栽培に着手。施設園芸の第一人者としてトマト部会50周年には市から表彰も受けた。園芸組合をはじめさまざまな長を歴任。中でも、圧巻なのは旧海老名町の青年団長時代。400人の団員のトップとして血気盛んな若者たちを束ねてきた。「何でも先に立つ方でね。周りはみな頑固というけどフニャフニャよ」とおどけて見せると、周囲から一斉に笑いが起こった。
○…「大谷の伝統を守ろう、後を継ごう、と必死に続けてきた。歌舞伎は終わりがなく生涯勉強できる。そこが魅力かな」。役者生活60年の集大成は最後を飾るのにふさわしい十八番の演目。名役者は次の世代に自らの演技で教える。
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