本郷の鴨志田信子さん 2度目の農水大臣賞 県菊花大会で9年ぶり
市内本郷に暮らす鴨志田信子さん(80)が、フラワーセンター大船植物園で11月24日まで開催中の「第51回神奈川県菊花大会」に出品していた盆養三本立部門で最高位の農林水産大臣賞を受賞した。鴨志田さんは9年前にも同賞を受賞しており、自身2度目の最高賞の受賞となった。
鴨志田さんが菊作りを始めたのは40歳の時。子宮がんが見つかり、治療のため家業の農作業を辞めた頃だった。「この先何をしよう」。そんな不安を抱えた生活の中、偶然出会ったのが菊だった。「とても気品がある花と出会った。自分もあんな花が育てられたら」と実家の弟に苗を譲り受け、鴨志田さんの菊作りが始まった。
農作物は育てていたが菊作りは全くの素人。海老名市菊花会の会長宅を何度も訪ね、さまざまな菊花展にも頻繁に足を運び、技術を少しずつ習得していった。「菊は土づくりが大事」というほど、菊づくりは根を作るのが何より難しいという。いろいろな土を試すなど試行錯誤を繰り返し、やっと自分の「土」が見つかり大きな花が咲くようになるまで、気が付けば10年を要していた。今では自宅ハウスの環境にあった「自分の土」に出会い、今では植え方など手が覚えるほどに。
菊作りは4月頭に指し芽をするところから始まる。そこから徐々に鉢を大きくする作業を繰り返していき、根作りをする。菊は日光に当たりすぎるのもいけないため、猛暑となった今年は例年なら1枚で済んだハウスを覆う日よけをもう1枚足して、暑さ対策を施した。
予想外の作品が受賞
今大会には受賞した作品以外に14点ほど出品。審査の10日前に搬入するため、審査日に合わせて最高の状態になるように調整する。自信作と感じ搬入した菊はいざ開花すると中に虫が入ってしまうというトラブルに見舞われた。
しかし今回農水大臣賞に輝いた作品は、開花するまでは鴨志田さんの中では「それほど期待していなかった作品だった」というが、花が大きく形もしっかりした見事な作品として評価された。「三本で賞が獲れ、うれしさが前回とはちがう。七本に勝てて本当にうれしい」
自宅前ハウスで200鉢を公開中
現在自宅前のハウスで200鉢ほどのさまざまな菊を育てており、近隣住民など道行く人々の眼を楽しませている。鴨志田さんは毎朝5時に起床し、6時から1時間半ほどかけジョーロで水をやる。昨年は腰を骨折してしまいやむを得ずホースで水やりをしたところ、最悪の結果になってしまったことから、健康にも気を付けるようになったという。「菊を始めたことでたくさんの人に出会えた。菊をほめてくれたり、喜んでくれるのが励みになる。今は人生が楽しい」と話していた。
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