「日蓮宗大荒行堂」を終えた常在寺の住職 海野 義明さん 社家在住 42歳
地域に寄り添うお坊さん
○…午前3時、陽も出ていない暁天の中、下帯姿で白い息とともに経を闇夜にこだまさせながら、寒水を勢いよくかぶり身を清める「水行」が始まる。11月1日から2月10日の100日間、千葉県市川市の中山法華経寺で行われる「日蓮宗大荒行堂」は100人を超える僧侶が午後11時まで1日7回の水行と読経を繰り返す「苦行」だ。体に刃を入れてはいけないため、髪も髭も伸びている姿で帰山した。「自分では何が変わったかではなく、変わった姿であり、振る舞いを感じてもらえればと」。晴々とする表情からも力強さが伺えた。
○…小中学生の通信簿では「落ち着きがない」といつも書かれていた。有馬中学校を卒業後は僧侶を志す者が入学する高校・大学の一貫校へ進学。これまでの生活は一転。挨拶、姿勢、作法など、あらゆる面を根本から正される僧道生活。「正座で足が痛くて歯を食いしばって泣きながら食事をしたこともありました。青春の華やかさは全く思い出にありません」と微笑む。
○…葬式や法事など亡くなった人だけが利用するのではなく、今生きている人のために活用してもらいたいという思いから寺内でのコンサートや工作教室など、身近な寺に感じてもらえるよう試みている。「堅い呼び方ではなくて”お坊さん”で良い。生きているうちにお寺に足を運んでもらえるように」と寺からの発信を心掛ける。
○…13年ぶり3回目の「大荒行」へ死装束をまとって入った修行。これまでと違ったのは家族の存在。家庭では6歳と1歳の娘を持つ2児の父。修行に入る前の10月28日に家族で出掛けた日帰り旅の帰り道、父と離れる寂しさから堪え切れずに、涙をポロポロと流した長女のその姿は一生忘れない。2月のカレンダーには「パパが帰ってくる」と書き記されていた。「1歳の娘はハイハイだったのが、すっかり歩けるようになっていました」。優しい笑顔で娘を抱きしめた。
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