写真集「大谷の四季」を製作した 三部 初夫さん 大谷北在住 74歳
海老名への情熱を形に
○…終戦当時、約200戸が点在する農村地帯から高度経済成長期からの宅地開発により、現在は3000世帯を超える地域になった「大谷地区」。急成長する海老名で今の景色を残しておこうと、写真集を製作した。3年近い年月をかけて大谷歌舞伎や鯉のぼり、真鯨親睦会の祭りなど、地域の催事をカメラに収め歩いた。
○…退職後に新聞に投稿した写真が掲載されたことがうれしくて写真撮影にのめり込んだ。出掛けるときはいつもカメラを手に持ち出発し、撮影した写真や現地での体験を新聞や雑誌に投稿する。掲載された作品は数知れず。掲載記事が1ページごとに丁寧にまとめられているA4ノートの宝物をニンマリとした表情で見せてくれた。「写真を撮るには歩くから健康に良い。文章を投稿するのも勉強になるから頭に良い。何事にも感謝だね」。ソファに腰掛けながら高笑いする。
○…健康体の根本は野球人生にある。中でも高校野球は別格。カメラを片手に球場へ足を運びシャッターを切る。涙を流す姿は自身も経験した高校生の魂を呼び戻し、レンズを覗く目にも涙が溢れる。部費が少なくボールが買えず、水を吸っても重くなったボールを使ったり、時には指導者から手を挙げられたりと自身にも語りきれない思い出が詰まっている。野球生活は社会人になっても終わらず、全国大会にも出場した経歴も。60歳からは「還暦野球」で選手として復活すると高校や社会人で出会った仲間たちと再会。「昔の友達に出会うと心も若くなって本当に体に良いです」
○…3年前、東日本大震災が起きたことで写真集の重要性を感じ、製作に向け一層の拍車をかけた。「いつ同じ状況になるかわからない」。被災地バスツアーなど支援活動にも参加。あたり一面何もなく、家の基礎コンクリートばかりの風景や現地の話を思い出し、「涙もろくてダメだな」と目にたまる涙を拭った。
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