10月18日から河の手ギャラリーで展示会を開催する「竹人形」の作者 鈴木 達幸さん 72歳
遊び楽しまずにはいられない
○…「竹藪の中にありますよ」-。電話で言われたとおりに車を走らす。上今泉の蕎麦屋「竹葉庵」の駐車場から竹藪の中を見上げると工房を発見。敷地内を借り元々あった物置と廃材を利用し自身で増築させた。竹人形作りの作業場であり、仲間と飯を共にしたり歌ったりする場で「男の秘密基地」となっている。「『亭主元気で留守がいい』って言うだろ。家庭も円満な証拠さ」と白い歯を見せる。
○…60歳になるまで飲料メーカーに勤め、毎日夜明けから午前様になるまで身を粉にして働いた。営業をはじめ多くの部署を経験したが、やることはいつも人と違うことにこだわる。「枠の中にとらわれていると、いつまでも枠の中。なんか違った方法で勝負を生きなきゃいけない。まぁ今思うとよくクビにならなかったもんだな」と破顔一笑。
○…「おれはさ、定年後はぜってぇ”遊ぶ”って決めてたんだ」。すぐに手を付けて続けるのも嫌だったため、2年間はじっとした。「あの時、暇というのは本当に大変だと言うことがわかったよ」。ふと購入した帆船の模型作りが”遊び心”に火をつけた。パーツを組み立てるだけでは物足らず、すべてを自分で作ろうと決意。技術も大型工具も金も使わない素材”竹”に出会ったことがきっかけで竹人形を作り始めた。福井県の伝統工芸「越前の竹人形」にも足を運んだが「オレは職人でも芸術家でもねぇ。”遊び”なんだから」と独学路線をまっしぐら。
○…昨年8月「ほったらかし農法」で有機栽培の野菜を作る畑での作業中、頭に違和感を覚えた。その日は眠れたが起きても体が動かない。脳梗塞だった。ろれつも回らない半身不随の状態から機能を取り戻そうと、食事以外の時間は院内を歩き回り「早く遊びたくて」医師に退院日を提案したほど。今でもマシンガントークで会話を弾ませるが「おれはこんなもんじゃねぇ」と底力はまだまだのようだ。
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