2015年を飾る企画として本紙では内野優市長=写真=に特別インタビューを行った。この中で市長は海老名駅西口がまちびらきを迎える今年を「長年の夢がようやく形となって実る年」と表現し、「子ども」に重点を置いた事業・施策を推進する考えを明らかにした。
――新年、あけましておめでとうございます。
あけましておめでとうございます。市民の皆さまにおかれましては、輝かしい新春をお迎えのことと心からお喜び申し上げます。
――今年は市長にとって特別な年になるかと存じます。秋には海老名駅西口のまちびらきになりますね。
海老名駅西口地区のまちづくりは、既成市街地である駅東口と今後開発が予定されている駅間地区とを合わせ、駅東西が一体となった中心市街地の整備につながる重要な事業であり、市にとって30年来の悲願でもあります。今年はそれらの長年の夢がようやく形となって実る年であると考えております。
今秋を予定している「まちびらき」は、市のまちづくりにとって大きな節目となりますが、一つの出発点であるとも認識しております。
現在、市では、地権者で構成される土地区画整理組合に対して助成・支援を行うとともに、中心広場や幹線道路、自由通路といった主要な公共施設整備を進めています。これらは、あくまで都市基盤の整備であり、今後重要となってくるのは、これら施設を活用した安全・安心の実現、賑わいの創出といった、まちづくりです。市の中心市街地が活性化することで、市の活力が高まる効果が大いに期待できます。
――「ららぽーと」が出店することで海老名のブランディングはさらに進むと思われます。
海老名市は、交通の利便性が高く、開発の余地が多くあることから発展性がある自治体として注目されていますが、これまではブランドイメージが確立・定着するまでには至っていないかもしれません。その意味からも「ららぽーと」の出店をきっかけに、市の価値が高まり、ブランディングが進むものと考えています。
また、地権者の土地活用が活性化し、地域主導によるまちづくりが進められることが重要です。
市民参画、市民協働の重要性や必然性がいわれて久しいのですが、西口地区におけるまちづくりが市民参画、市民協働の実践事例となっていくことも市のブランディングに寄与するものと大いに期待しております。
――県外も含め多くの方が海老名を訪れることが想像できます。渋滞なども心配されますね。
まちづくりを進めるうえで交通対策は重要な課題であると認識しております。地域住民の生活への影響を十分考慮し、県や民間事業者などの関係機関と連携しながら様々な対策を講じていくとともに周辺道路の整備も鋭意進めてまいります。
「子ども」事業に重点 新年度予算編成
――昨年は圏央道が北進しました。中央道の八王子ジャンクションまで20分、さらに関越道の接続点まで40分とこれまでと「流れ」が一変しました。
私も昨年6月の圏央道開通式典への招待を受け、相模原インターチェンジから相模原愛川インターチェンジ区間で実施された「通り初め」に参加させていただきました。その際、圏央道の利便性の向上を実感するとともに、この機会をいかに活かしていくのかが今後の課題であると考えました。
――一方、市内の道路でも朝夕を中心にインター周辺は渋滞が目立ち、一部車両はこの渋滞を回避するため生活道路に侵入してくるケースも見受けられます。
この点につきましては、市としても憂慮しており、昨年8月に「海老名インターチェンジ周辺交通関係者会議」を立ち上げました。この会議において、関係機関が共通の認識のもと、対策の検討を図るとともにその対応に向けた具体的な協議を進めております。
――今春には海老名ジャンクションから寒川北インターチェンジが開通します。
今回の区間の開通は、圏央道の通行時間の短縮だけではなく、海老名インターチェンジ周辺における一般道の渋滞緩和も期待されているところです。開通後の周辺道路の状況を注視しながら、関係機関と連携し、必要な対策を見極めていきたいと考えています。
――昨年12月からは中央図書館の改修工事が始まりました。魅力的な講座や企画展が数多く打たれるなど、すでにソフト面では大きな変革を感じます。
昨年12月から中央図書館を閉館し、現在、大規模改修工事の準備を進めています。すでにご承知のとおり改修後の中央図書館にはカフェや書店スペースを併設予定ですが、それだけではなく、開架図書(利用者が手に取って閲覧可能な図書)や閲覧席の数を増やしたり、子どもや親子連れがのびのびと利用できるように4階全体をキッズフロアとするなど、多くの方々が様々な形で本に親しむことのできる図書館に生まれ変わります。
また、開館日や時間、貸出・返却方法、イベント等のソフト面でも拡大や多様化を図っていく予定です。まちびらきを控えている海老名駅西口地区にも近接しており、市外からも多くの来館者があるものと思われますので、海老名市を発信する上でも大きな役割を果たす施設になると期待しております。
閉館中はご不便をおかけしますが10月のリニューアルオープンを楽しみにお待ちいただきたいと思います。
――昨年11月には長野県内で大きな地震が発生しました。地震や近年多発している「ゲリラ豪雨」に対する海老名市の取り組みをお聞かせください。
昨年、市では、「海老名市災害対策基本条例」を制定し、本年1月1日から施行しました。この条例には、自らのことは自らが守るという意識を持って取り組む「自助」、地域において互いに協力し助け合う「共助」、市が実施する「公助」を基本に、市民、事業者及び市が、それぞれの責務と役割を主体的に果たし、相互に連携・協働を図りながら、協力して推進していくことを定め、災害対策の充実を図るものとしています。
また、各ご家庭で大規模地震や集中豪雨等の風水害等の災害種別ごとに安全確保対策等が確認できるよう「海老名市防災ガイドブック」を配布し、同時に、震度5弱以上の地震が発生した場合に、玄関のドアノブなどに掲げていただく「安否確認フラッグ」を配布しました。このフラッグを掲げることで、近隣や救助隊に「うちの家は大丈夫!」と知らせることができ、条例で定めた「共助」を実施する上での助けになるものと期待しております。
――2015年の予算見通しについてお聞かせ下さい。
現在、2015年度予算の編成作業を行っている最中ですが、現時点において、歳入面では個人市民税で若干の減、法人市民税で若干の増、市民税全体では若干の減を見込んでいます。
今年は、当市にとって長年の念願であった海老名駅西口の「まちびらき」の年となります。現在進めている「次代へつなぐ新たなまちづくり」をしっかりと進めながら、将来を見据えた上で、様々な事業を必要性や重要性・緊急性等の観点から精査し、しっかりした予算を編成してまいります。
――目玉となる事業や政策についてお聞かせ下さい。
2015年度は「輝け!未来へ!はばたくえびなっ子」をキャッチフレーズに、「子ども」をテーマとした事業に重点的に取り組みます。このテーマは、海老名の将来を担う「子ども世代」が、しっかりと成長できる環境づくりの重要性と2015年度が新たな子ども・子育て支援制度を進めていく年になることから設定いたしました。現在進めている予算編成作業の中で、実施する事業等については、海老名の子ども、そしてその保護者にとって、今、何が必要かをしっかりと考えた上で決定してまいります。
――最後に市長の抱負と市民の皆様へのメッセージを。
キャッチフレーズにもあるとおり、今年は「子ども」がテーマです。子ども達の笑顔があふれるまちは、活力のある元気なまちであると考えます。今年も、海老名市が元気なまちとして、さらに発展するよう、全力で取り組んでまいります。
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