海老名市合唱連盟の理事長を務める 伊藤 収さん 国分北在住 74歳
歌の力、地域に伝える
○…合唱や音楽文化の普及振興に向けて市内団体が一堂に会する舞台「合唱のつどい」を目前に控え、関係者らは熱のこもった練習を重ねている。昨年「海老名市合唱連盟」の理事長に就任。裏方として会場となる文化会館大ホールを、観客で満席にしようと日々奔走中。「私なんかが務まる役柄じゃないんだけどね。任されたからには一生懸命やります」と謙遜しながらも使命感に燃えている。
○…現役の頃は大手保険会社の営業マンとして全国屈指の活躍を見せ、30歳ごろから大勢の部下を持つ役職に就いた。「家族の為に頑張ったよ」と職場と家の往復の日々を過ごした。定年の1年前、階段を上がるのが辛いほど体の不調を訴えるように。心臓の冠動脈が詰まるという大病だった。手術を成功に終えるも翌年には胃がんになるなど、「定年になって待っていたのは大病だったのか」と肩を落としたという。一時は体中管だらけの時期もある中、なんとか一命を取り留めるも本調子にはなかなか戻らず。見兼ねた家族が健康のためにと勧めてきたのが合唱との出会いだった。
○…始めたのは今から7年前。市内唯一の男性合唱団の発足に合わせ入会した。譜面は読めない、歌はカラオケ程度と合唱に関しては”ど素人”。仕事一辺倒で関わりの無かった地域の人たちと二人三脚のように切磋琢磨する内に、合唱の魅力にもはまっていった。「一歩踏み出した結果、世界が変わりましたね。さらに生きがいを発見すると不思議と体の調子も良くなってきたんですよ。勧めてくれた家族に感謝です」と横にいる夫人と目を合わせる。
○…19回目となる今年の合唱祭は初の地元中学生が参加する。「若い子たちから活力をもらいつつ、『おじさん達もやるなぁ』と思われたいね」と笑う。来年で20周年という節目を前に「連盟に所属する皆の総力を結集させ、海老名の合唱文化を伝えていきたい」と意欲を見せていた。
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