「最近は調子が良いみたいでプールに週2で通えた」「行きたい場所があるというのは良い兆候だね」、「娘が措置入院になって…」「それは大変でしたね。お母さんが倒れないように」――
これは、精神障がい者の家族会「2πr(ニイパイアール)」の定例会の1コマだ。おもに精神疾患を持つ子の親や兄弟が毎月第2土曜日、福祉会館に集まって悩みを分かち合い、病気への理解を深めている。
2001年の発足以来「円周」を意味する団体名の通り、ともに手をつないで支援の輪を広げるべく、多岐にわたる活動を展開。現在は20余人が明るい雰囲気の中、熱心な活動を行っている。
一方で、服薬・入院を軸とした従来の治療に限界を感じているほか、親である自分たちの高齢化にも危機感を募らせている。30〜50代になる子の大半は長年自宅にこもり、就労に至っていないケースが多い。「障がい年金がもらえなかったら」「親の年金頼りなのに」と、親亡き後への課題も目前に迫っている。
対話療法の導入を
こうした中、同会では精神障がいへの理解と支援拡大に向けて、新たな普及啓発活動に挑んでいる。8月には北欧発祥の対話療法『オープンダイアローグ』を取り入れた訪問支援体制の必要性について市長に提言。10月には、初となる市民向け講演会の主催のほか、身体拘束など日本の精神科医療の問題点を指摘する映画上映会も開催した。雙田春枝会長は「待っていても精神科医療も変わらず支援の輪も広がらない。私たち家族が運動していかなければ」と力を込める。我が子の笑顔のために、支え合ってきた仲間と声を上げ続ける。
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