2020年の幕開けに際し、本紙では内野優市長にインタビューした。内野市長は2019年を振り返るとともに、重点事業など今年の抱負を語った。
――19年振り返ってみていかがでしょうか
「住みたい 住み続けたいまち 海老名」を実感していただくため、現地現場主義で市民の皆様と多くの協議を重ね、市独自の施策にも積極的に取り組んでまいりました。その結果、再度皆様からの信任をいただき、気持ちを新たにしているところです。
――市政運営施策と個々の進捗状況について
昨年は大型台風が直撃し、市内の約半分を占める浸水想定区域に避難指示を出すなど、稀にみる災害に見舞われた年でした。多くの方が避難しましたが大きな混乱がなかったことは、毎年継続している避難所運営訓練により、お互いの顔を知っている市職員と地域住民がよく連携して動けたからこそと考えています。また、災害への備えという点では大型エアーテントも導入し、地震等により庁舎が使用できない場合でも災害対策本部として活用できるように整備しました。さらに、傷病者搬送時の救急隊員の負担軽減を目的として、全国でも珍しい腰タイプ作業支援用ロボットスーツ「HAL」を導入し、救急体制のサポートも行っています。
また、昨年9月30日から開始した家庭系ごみの一部有料化と戸別収集では多くの市民の皆様のご理解とご協力のもとに、開始以来、燃やせるごみが2〜3割削減できています。引き続き本制度をしっかりと実施することでごみ減量化を自分事としてとらえていただき、将来的にはごみ集積所のないきれいな街並みを目指し、市民の皆様と一緒に日々の暮らしの中で環境問題に積極的に取り組む都市になりたいと考えています。
――現在の課題と、その解決策などについて
人口減少が各地で進む中、うれしい事に海老名では海老名駅西口や駅間開発により人口が増加しています。子育てをしながら共働きする世代が増えていることから、認可保育所及び学童保育所のニーズが高まっています。今後、整備を行い「待機児童ゼロ」体制づくりを構築するとともに、学童保育所の新・増設に助成を行い、小学6年生まで希望者全員が入所できる環境を整えていきます。
また海老名駅付近の児童数増加への対応が緊急の課題となっており、新年度から今泉小学校の増築工事に着工し、令和4年度の使用開始を目指しています。さらに、要望の多い中学校給食についても検討委員会を設け、現在スピード感をもって取り組んでいます。
一方で高齢化社会への対応も重要な課題であり、今後医師など専門家による相談事業を充実させ、医療・介護・介護予防・住まい・生活支援を一体的に提供する地域包括ケアシステムの深化に努めます。併せて、介護予防の観点から全国的に先駆けて「オーラルフレイル健診」を実施し、啓発活動を歯科医師会などと連携してまいります。
――今後の海老名の構想について教えて下さい。
今年4月に新たな総合計画「えびな未来創造プラン2020」がスタートします。このプランに基づき、今後10年を見据えた計画的な行政運営を進めていきます。
そして来年、海老名市は市制施行50周年を迎えます。大きな節目を迎えるこの年に向けて、現在様々な企画を検討しています。同時期に小田急ロマンスカーミュージアムのオープンもあり、これらを含めて文化芸術の発信拠点づくりを推進していきたいと考えています。海老名は古代から国分寺もあり、こうした新旧の文化を融合させながら、「歴史と文化の薫るまち」を作っていけたらと思います。
笑顔で「人に寄り添う」東京五輪・市制50周年、機運高める
また、今後新たに「福祉法人」と「農業法人」の設立を目指しています。海老名市は平成29年に「ともに認め合うまち・海老名宣言」を行い、誰もが自分らしく暮らすことのできる共生社会を目指すことを宣言しました。「福祉法人」はこの実現のために、障がい者の雇用促進などで大きな役割を果たすものと考えています。
「農業法人」については、ICT農業の推進や後継者対策などの課題に対応し、海老名ならではの農業を推進発展させ「にぎわいがあり自然にやさしいまちづくり」に寄与することを期待しています。
――2020年度の重点事業や、予算の見通しについて
昨年のラグビーワールドカップに引き続き、今年は東京2020オリンピック・パラリンピックが開催されます。6月30日には聖火リレーが海老名を通過します。当日は海老名中央公園でミニセレブレーションが実施されます。また、世界の気迫を肌で感じてもらうため、オリンピックの観戦チケットを確保し、市内小中学生に無償で試合を見てもらう機会を提供します。またとないチャンスを活かし、多くの子どもたち、また市民の皆様の記憶に残るような企画を実施し、楽しんでいただきたいと思っています。
市の歳入においては、海老名駅西口地区及び駅間地区に人口の流入が見込めることから個人市民税や固定資産税の増加が見込まれますが、法人市民税については実効税率の大きな引き下げ等を受け大きな減収を見込んでおり、市税全体としては昨年度と大きく変わらない見込みです。来年には市制施行50周年を控えていることから、各事業の適切な実施と見直しを積極的に進め、今後の100年に続く健全財政を目指していきます。
――最後に今年のスローガンを教えて下さい。
新しい年の文字として「笑顔」を選びました。これまでも「人と人の絆」を大切に市政運営を行ってまいりましたが、今期は「人に寄り添う」ことに重点をおいて各種政策を進めていきます。みんなが笑顔になれる住みやすいまちを目指して今年も誠心誠意努めてまいります。
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