7月29日に座間ハーモニーホールでリコーダー演奏会を開催する 根本 昌明さん 座間市立野台在住 71歳
孤高の音色で道ひらく
○…全国各地でリコーダーを演奏する音楽家が、コロナで揺れるなか、18年ぶりの凱旋公演の開催を決断した。席数は通常の4分の1、扉は開放し、空調も回ったまま。以前の「当たり前」の風景ではないが、それでも今こそ生の演奏を届けたいという強い思いがある。「コロナで不安な気持ちを抱いている人が多い。心豊かな世界に誘える、愛と喜びに満ちた演奏を地元の人にお届けしたい」と意気込む。
○…人間関係がうまくいかず悩んでいた中学時代、自由に自己表現できる音楽が救いとなり、授業で習ったリコーダーに没頭していった。「朝ドラの『エール』の少年時代は自分を見ているよう」と微笑む。音大には進まず上智大を経て海老名市の中学校の英語教員に。吹奏楽部の顧問としてタクトを振ったことで、演奏家だけでなく指揮者への憧れも強まっていった。
○…夢を諦めきれず、50歳で退職。清掃員のアルバイトをしながらリコーダーと指揮に専念し、2010年には東京フィルを雇って第九を指揮するまでに。「すべて独学だからこそ、人の心に訴えられる音になる。プロからも『根本さんとやると楽しい』と言われるんですよ」と目を輝かせる。来年10月には、東京オペラシティで自身が主宰する管弦楽団と合唱団の「第九」も控える。
○…音楽を通し届けたいのは、愛と平和。ステージ衣装は、平和を象徴する緑色の衣装と決めている。人生経験が豊かになったことが音色にもプラスに働き、音楽家として今が上り調子。「『意志あるところに道は開ける』と信じやってきた。失敗をしても諦めずにやり続ければ、50歳で始めたとしても、20年経てばここまでなるのだと音を聴いて感じてほしい」と目を細めた。
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