来年1月に就労継続支援B型事業所を開所する 山口 慎二さん 海老名市杉久保南在住 59歳
○…大卒からずっと勤務してきた障害者福祉の仕事を昨年、辞めた。「まだ体が動くうちに」と独立を決意しての退職だった。来年1月の就労継続支援B型事業所の開所を前に「利用者さんとともに農業をする。専門知識を持った息子が手伝ってくれるのが心強い」と話す。今春に借りはじめた畑ではすでに野菜作りを開始し、JAさがみ海老名グリーンセンターや横浜のスーパーへの販路も開拓した。
○…福祉と出会ったのは進路で悩んでいた高校生の時。何気なく見ていたテレビで初めて障害者の実態に触れた事がきっかけになった。「あの頃は障害のある人は隠されて生きていたように思う。すぐに福祉の道に進む事を決めて大学で専門的に学んだ」と振り返る。就職はお世話になっていた教授の紹介で、秦野の生活介護を行う施設へ。「24時間利用者さんと向き合い続けた。5年で転職したけれど、自分の基礎を作ってくれた」と思い出に目を細める。
○…海老名へは奥さんの妊娠と自分の転職を機に引っ越してきた。平成元年に第一子を授かり、21年までに5男3女まで増えた。独立を家族に打ち明けたところ「自分のやりたいことをやるのが大切」と背中を押された。「地域に溶け込めたのも子どもたちのお陰。夢を応援する立場だったはずなのに、いつの間にか逆転していた」
○…「利用者にとってよりよい環境を」作り出すために、自分たちで事業所を作った。低賃金や担い手不足が叫ばれる地域農業の課題解消にも取り組みたい、と考えている。「技術と知識が身に付けば農家さんの手伝いに行ける。それがいつか就職に役立つかもしれない。自分の理想かもしれないけれど実現に向けて踏み出したい」と先を見つめる。
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