10年にわたり海老名市書道協会の会長を務めている 森岡 郁夫さん 海老名市杉久保在住 89歳
○…海老名市書道協会の会長に就任して10年が経つ。会員は100人を超え、ふと「会長ではなかった頃を思い出す」というが「会員の支えがあって続けられた」と振り返る。1月15日から開催する書道展はコロナ禍の開催で中止も考えたが、発表の場はなくせない、と思い開催を決断した。「作品は人の目に触れてこそ。感染状況によっては開催できなくなるかもしれないが、いい展示会にしたい」
○…1931年、北海道生まれ。10歳のころ兄の筆をかりて初めて筆を持った。「何の字だったか」と、遠い記憶をたどる。戦況の悪化で半紙や筆、墨の入手が難しくなり習字とまではいかなかったが、成人して仕事に就き、還暦を迎えたころ市の講座で再び興味を持つようになった。「兄は下手な字を書くと何度もやり直しをさせた。戦死してもう会えないけれど、字を書いていると兄の声が聞こえる」と、当時に思い馳せる。
○…小学生から中学生の間は、鉱山に携わる父の仕事の都合で全国を転々としていた。「転校ばかりで友達ができなかたが、今となれば家族みんなで暮らせて良かったと思う」。海老名には50年前の転勤でやってきた。「住み始めのころは高座郡海老名村だった。市になって50年と聞いたがそんなに長く住んでいたかと驚いた」
○…2年前の大病から健康に気を付けるようになった。昨年7月には長年連れ添った妻に先立たれ、息子や娘家族の負担にならないよう大好きだったお酒を控えるようになった。「病気をして健康を考えるようになった。書道を長く続けるためにも元気は大事」と、力強く語った。雅号は『幽雪』。最初に師事した「遊作遊山先生」から拝命した。好きな字体は草書。
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