宮本内科小児科の院長で、3月をもって引退する 宮本 正浩さん 座間市入谷西在住 79歳
「80まで」傾聴の医者全う
○…「開業したのがつい昨日のよう。あっという間の42年だった」と優しく穏やかな語り口で振り返る。「医者は80歳まで」と心に決めたのは2年前。「これまでは目の前の患者さんのことばかり考えていたが、5月に80歳を迎えるのを前に引退を決めたときから、これまでを振り返るようになり『よくやったな』と思います」と微笑む。4月からは新たな医師にバトンタッチする。
○…医師の先輩の紹介で、縁もない座間での開業。大雨が続き、最初の1週間で患者はたったの1人だった。不安な船出だったが、隣接する団地の完成と口コミで瞬く間に患者が増えた。子どもだった患者が母親となり、自分の子を連れてきたこと。都内に引っ越しても、わざわざ通ってきてくれたこと。「医者冥利」な話は数知れない。
○…東京都生まれ。親戚に医師が多く、小学生の頃には自然と開業医を目指していた。成蹊高校を卒業し昭和大学医学部に入学すると、花形だった循環器科を志望。「糖尿病や甲状腺の分野に振り分けられてしまったが、高齢化社会で必要な分野を専門にできたのは今思うとよかった」。医者としての信条は「コミュニケーション」。「話を聞かないと、病気はわからない。時間の許す限り話は聞いてきた」
○…2003年から2年間は座間市医師会の会長も務めた。座間市休日急患センターの初代センター長でもあった。「組織づくりは難航したところもあったが、現在も機能して市民の安心につながっていると思うと、やってきてよかったなと思う」。これから残りの人生は読書や、旅行など自分の好きなことをゆっくりと楽しみたいという。医者としてのラストメッセージは「100歳まで元気に、を目標に生きていきましょう」
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