▼私たちが「ごみ」として捨てている物の価値が見直されている。「高価買取」の店が並び、ネットでは不用品に値が付く。こうしたなか綾瀬市がサントリーグループと「ボトルtoボトル・リサイクル事業」の協定を結んだ。8月30日の会見で市とサントリーは異口同音に「三位一体による循環型社会の実現」を標榜したが、私たち市民もその当事者となっている。地球環境への持続可能な取り組みは今や身近なところに及んでいる。
▼綾瀬市で来年4月に始まるリサイクル事業は、家庭から収集したペットボトルをすべてサントリーの指定業者が原料に加工し、同社神奈川綾瀬工場でペットボトルに再生させる。この可視化された取り組みが循環型社会を支えるワンピースになる。他方、綾瀬市としては「地産地消の容器」が誕生することも活かしたい。大手飲料メーカーのグローバルな環境活動に参加することは綾瀬市のブランドイメージを高めることになる。このことを市民に説き、理解と協力を得るのが市の役割でもある。
▼お隣の海老名市は「資源とごみの分け方・出し方」の冊子に「資源ごみは、正しく出せば再利用されます」と記している。ペットボトルは衣類や文具、食品パックになると、イラストで解説している。一方で綾瀬市のペットボトルはフタとラベルを外し、水洗いした状態で、集積所に置かれるオレンジ色の収集カゴに直接入れる決まりがある。ごみ袋から出すことで異物混入を防いでいる。これはいわば「産地」のこだわりで、業界団体の評価も高い。
▼綾瀬、海老名、座間の3市は広域行政で可燃物を焼却処分している。3市は、ごみ減量化の課題を共有し、3市ぞれぞれ、1グラムを減らす方策に腐心している。しかし、その可燃ごみの袋にはペットボトルが混入していることが少なくない。1本約20グラムだ。この1本がリサイクルに回ると減量にもなり循環型社会にも一歩近づく。資源とごみにまつわるそんな話題に目を向けると、暮らしの心が少し豊かになる気がする。
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