座間市の佐藤弥斗市長が、6月22日に閉会した座間市議会第2回定例会で審議されるはずだったプレミアム付き商品券発行の補正予算案を、審議直前に取り下げた。座間市議会によると、議会に提出された議案が審議前に取り下げられた例は過去にない。
座間市が昨年4月に実施したプレミアム付き商品券発行事業は、佐藤市長の選挙公約の一つ。佐藤市長はその第2弾を実施する方針を固め、プレミアム分などに必要な総額3億9411万円5千円の補正予算案をまとめ、6月17日に議会へ提出した。歳入には市の貯金にあたる財政調整基金を充てる内容だった。
これを受けた市議会は同17日に議会運営委員会(荻原健司委員長)を開き、概要に対する質疑を行い、議案の取り扱いを協議。最終日(22日)の本会議で議題とし、質疑を経てその場で採決することを決めた。
異例の事態
ところが、最終日前日の21日午後になり佐藤市長が急きょ、吉田義人議長と松橋淳郎副議長を市長応接室に招き、この議案を取り下げる意向を伝えた。
22日は午前9時から本会議が開かれる予定だったが、同時刻に急きょ会派の代表者が集められ、その場で市長が取り下げについて説明。その後の議会運営員会で議案削除が正式に決まった。
本紙の取材に佐藤市長は「原油価格や物価高騰に対してさらに広くきめ細やかな施策を合わせて提案することで、市民生活や市内企業などへの支援に繋がるものにしていきたいと考えた」とし、プレミアム付き商品券については「家計支援対策と合わせ少しでも早く実施したい」と、話した。
否決に傾く
関係者への取材をまとめると、プレミアム商品券の追加議案が明らかになった6月17日以降、市長と距離を置く複数会派の議員を中心に市長の政治手法などに対する不満が噴出。加えて原油価格や物価高騰の対策として、公平に支援が行き届く水道料金の値下げを求める声が相次いだ。
さらに21日には地方紙が同補正予算案の財源について「地方創生臨時交付金を充てる」と報じたことで、一般財源を充てる、と繰り返した当局の説明との食い違いを指摘する声が噴出した。こうした議会内の情勢を察知した佐藤市長は、本会議で否決される可能性が高いと分析していた。
議案の取り下げについて吉田議長は「議会は上程された議案を審議する場であり、上程前の取り下げについては特段の受け止めもない」としつつも、「議員個人として」と前置きしたうえで「異例ではあるがより良い議案を出すための判断がそれを上回ったと受け止めている」と話した。
他の議員からは「否決されれば再提案も難しくなると考え慎重になったのでは」「もう少し根回しをしていればこのような事態は避けられた」「取り下げではなく本会議の場で議論するべきだった」「よりよいお金の使い道の議論を深めるために取り下げは妥当」といった声が聞かれた。
10億円規模
取り下げた予算案では1冊7千円で1万円分の商品券を一世帯最大10冊まで発行し、電子クーポンにも対応。発行総額は前回を上回る10億円規模で、使用期限は5カ月間とするなど、総額6億円で3カ月間だった昨年を上回る規模だった。
市は7月6日に召集する臨時会に改めて関連議案を提出し、議会の承認を得た上で独自の家計支援策を実施する考え。
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