県はこのほど、独自の工夫で業務改善・業績アップを成功させた中小・小規模企業を「神奈川がんばる企業」として初めて認定した。県内46企業が発表され、精密ねじの製造を行う「(株)共栄ファスナー」(川添民男代表取締役/上郷)が市内企業で唯一選ばれた。川添代表は「お声が掛かり名誉。社員たちの士気も高まるのではないか」と話す。
「神奈川がんばる企業」は、中小企業の社会的認知度と従業員のモチベーション向上を図るために設けられたもの。独自の工夫を行ったことで、年率3%以上の付加価値額と年率1%以上の経常利益の増加を実現させた企業が認定される。企業の募集は自薦と他薦により行われ、(株)共栄ファスナーは県からの勧めを受け、今年8月末に応募した。
評価を受けたのは、2年前に「真空超音波洗浄機」の機械を導入し、ねじ製品の洗浄技術が高められたこと。これまでは灯油を使用する洗浄方法を用い、洗浄後に乾燥させるという2段階方式を取っていたが、油が取りきれずラインの流れが悪くなったり、洗浄の再処理が必要となることもあったという。また、機械の構造上死角の部分があり、異種・異物混入が懸念されていた。
同社ではこうした課題に対処するため、ものづくり補助金を活用して真空超音波洗浄機を導入。この機械では炭化水素を用い洗浄するため、ねじ製品の谷部分など細かいところまで汚れを落とせるようになり、洗い直しの必要がなくなったことで平均洗浄数が増加し作業効率が約20%向上。また、洗浄から乾燥までを一つの機械で行えるようになり、死角部分もなくなったことで手元での確認が可能となり、異種・異物混入率を限りなく0%に近い値まで下げることに成功した。
認定企業は今後、モデル事例として県が積極的に情報発信を行っていく。
4年前には県優良工場に
平成8(1996)年に綾瀬市で創業し、その4年後に海老名に移転した同社。設立以来21年間、携帯電話やパソコンなどに使用される精密機械用マイクロねじ、プリント基板に用いるコネクターピンなどの製造を行ってきた。
4年前には、経営業績・作業環境・生産技術などが評価を受け、地域経済をけん引することを期待される企業として「神奈川県優良工場」として表彰された。
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