さくら祭り 震災で中止相次ぐ 相模が丘地区は36年目で初の開催見合わせ
3月11日に発生した東日本大震災の影響で、イベント中止が相次ぐなか、桜の開花に合わせて市内各地で予定されていた、さくら祭りも見送られることとなった。座間市で最も古い歴史を持つ「相模が丘さくら祭」も、36年目にして初の中止に。各イベントの主催者は、出演団体などの関係者や地元住民への通知、設営したステージの解体など対応に追われた。
被災者に配慮し自粛
「宮城や福島など被災地出身の委員もいる。被災者のことを考えると、同じ日本人としてやめるしかなかった」と話すのは、相模が丘さくら祭実行委員会の坂本文彦委員長。4月2日(土)と3日(日)に相模が丘さくら広場などで開催予定だったが、3月15日に緊急召集した会議で、中止を決めた。翌日からは住民に対して、自治会の回覧板で通知。市民からは「祭りをやめた方が良い」という声が多く上がり、「住民の方々には(中止に対して)理解をしていただいたと思う」と坂本委員長は話す。
開催に向けては、恒例の交通安全パレードに伴う交通規制の要請など準備を進めてきており、昨年12月には実行委員会を立ち上げた。作成したチラシは、招待状と一緒に関係者などへ送付するはずだった。さらに、相模が丘商店会連合会が主催する謝恩抽選会の抽選券も無効に。半年間に及ぶ準備だっただけに落胆も大きいものの、坂本委員長は「そんな事言っている場合じゃないです」と強調していた。
電力確保困難に
さがみ野のさくら祭りも、震災3日後の14日に中止に。3月下旬から4月上旬にかけて約50団体がパフォーマンスを披露する予定だったステージは骨組みが出来ており、15日には舞台を彩る竿燈(かんとう)を竹で作る予定だった。しかし、同地区の商店街「みどりとさくらの街さがみ野」の会員らで話し合うと「甚大な被害に遭った被災者がいるのにまつりを開くのは不謹慎」とする意見があがった。また、計画停電によってステージイベントの開催が危惧されることから、見合わせという判断に至った。住民からは「賢明な判断」とする一方で、「開催しないのは寂しい」などの反応があった。スタッフは、「(さくら祭りは)商店街にとっても、活性化のポイントだっただけに残念」と肩を落としていた。
2日に実施予定だった「かにが沢桜祭り」は、計画停電によって電力確保が危ぶまれることから、開催を取りやめに。同まつりでは、午後4時から9時までに電球200個ほどを使い提灯を飾る予定だった。
キャンプ座間のさくら祭りも、被災者への配慮や計画停電の影響を考え、中止。また、在日米陸軍の基地管理本部・広報渉外室によると、在日米軍が東北で展開する救助作戦「TOMODACHI(ともだち)」に集中する必要もあるという。
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