東日本大震災によって事業停止を余儀なくされる企業があるなか、大災害が起きた時に会社を守る「BCP(事業継続計画)」がメディアなどで注目されている。市内小松原にある「山下マテリアル(株)サーキテックカンパニー」でも、2007年にBCPを策定し、会社の事業や顧客を守るため大災害に備えている。その取り組みを取材した。
BCPとは、自然災害や感染病の蔓延などの緊急事態に、企業が中核事業を継続・復旧するために決める計画。中小企業庁が策定を推進している。同庁の指針に基づいて計画を決め、登録(自己申告制)をしている企業は全国で50社を超えており、同社もその一つ。
同社では、超音波診断装置といった最先端の医療機器などに使用される「フレキシブルプリント配線板」を、独自技術で製造している。災害などで事業停止すると、他企業による代替生産が困難な商品で、「(停止すると)顧客に多大な迷惑をかけてしまう。重い供給責任があり、計画を策定した」と同社は話す。
同社はBCPで、災害発生からの復旧時間によって、被害をレベル1〜5まで設定。レベルが低くなるほど被害が甚大で、1の場合は復旧に30日かかると想定している。中核事業となるフレキシブルプリント配線板の製造を行うため、従業員・インフラ・生産設備・顧客など各項目で、レベルに応じた対策が計画に細かく盛り込まれている。また、緊急時の組織編制を決めたり、定期的にBCP委員会を開くなど、災害対策が日々の業務に組み込まれているのも特徴だ。
大震災の経験計画に反映
東日本大震災の発生によって帰宅困難者の発生、外部から来社していた人の対処など検討課題が見つかった。「今回の地震のように想定外の災害が発生するかもしれません。この災害の経験をもとに、次のレベルを目指して計画を改善していきたい」と同社は話している。
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