神奈川フィルハーモニー管弦楽団のフルート奏者として活躍する 江川 説子さん 栗原中央在住 39歳
一途な思いを音色に
○…震災の影響で多くのイベントが自粛されるなか、4月に座間市役所で行われたチャリティコンサートに、神奈川フィルハーモニー管弦楽団の一員として市民から唯一出演した。「私に出来ることは音楽で人を元気付けること」。強い意志とともにフルートを握る。同楽団は、5月13日(金)に県民ホールで東北支援チャリティコンサートを主催。音楽の持つ力を信じ、自身も参加する。「みんなを元気に」。思いはひとつだ。
○…徳島県の出身で3人姉妹の真ん中。幼いころからリコーダーが好きで、フルートを始めたのは小学6年生のとき。口下手だったこともあり、フルートで自分を表現することに夢中になった。中学に入り姉の影響でオーケストラ部へ入部。親元を離れ、香川県の音楽科のある高校へ進む。音楽大学の進学を機に上京し、その後卒業と同時に同楽団の門をくぐった。2000年に結婚した夫は、同楽団のホルン奏者。愛娘2人の育児のため1年近くフルートから離れたこともあったが、「1日休むも、1年休むも一緒。復帰するのに不安はなかった」と笑う。フルートを始めて約20年、音楽とは切り離せない人生だ。
○…夫に感化され始めたスキーが息抜き。道具も全て揃え、冬は白馬にも行く。また、こっそり教えてくれたが実はお酒好きで、晩酌で疲れをとることもある。1年間におよそ100本の演奏会をこなす秘訣なのかもしれない。
○…華やかさの影で経営難も叫ばれているオーケストラ。「音楽に触れ合う機会をなくしてはいけない」と署名活動に参加したこともある。また、10年程前、西表島で開催した演奏会では「自然と歌を口ずさむ島民の姿」に感動し、音楽の持つ力を身をもって感じた。13日のコンサートに向け、「喜びや感動で被災地を支援したい」と熱がこもる。「オーケストラにしかない厚みのある音を楽しんでほしい」。真っ直ぐな瞳でそう語った。
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