創立35周年を迎えた市茶道連盟の会長を務める 岡野 智生子(ちいこ)さん 緑が丘在住 75歳
前向きに、続けること
○…創立35周年を迎える市茶道連盟の会員数は、およそ200人。自身は創立時からの会員で、「まるで渋滞する車のバックライトのように、あれよあれよと会員数が静かに増えていた」と、会の振興を改めて実感する。予定していた納涼茶会を、被災地支援の「チャリティー茶会」とし、6月19日にハーモニーホール座間で開催する。茶券代は全額寄付し、経費を少しでも抑えるため、当日のお菓子はメンバーの手作りだ。「ちょっとお茶を飲んでいこう」という気軽な気持ちで来て欲しいと期待する。
○…高校卒業後、就職先で受けた茶道研修が茶道を始めたきっかけ。「あっという間の50年。茶道は奥が深く、茶室の天井の板まで学ぶことがある」と、教える側になっても勉強熱心。そんな茶道の魅力は、固い作法ばかりでなく、まずはお茶を楽しみ会話をすることだと言う。それが茶道の入り口になるそうだ。「熱すぎず、冷たすぎず、相手に一番のお茶を出す。その相手を思う気持ちが千利休から変わらず続く茶道」。
○…出身は千葉県。結婚を機に座間市に移り住んだ。小学生のとき戦争を経験した。「爆撃機に狙われ、見ず知らずの人が抱きかかえて守ってくれた。生きていることが本当にありがたい。守ってもらった命で続けている茶道を、生半可なことではやめられない」と強い意志を瞳から感じる。その一方で明るい笑顔で話すのは、最近のお気に入りの「韓流ドラマ」。主題歌のCDを聞きながらお茶の用意をすることも。「いつかピアノで弾いてみたい」と少女のように笑う。
○…華道の先生でもあり、毎月のカレンダーは予定でびっしり。毎朝欠かさず空をみる。晴れの日は、忙しい合間をぬって秦野にある戸川公園まで出掛けることが一番の気分転換。「デッサンをしたり、新しい発想が生まれる」と、毎日楽しそうだ。この前向きな思いが、茶会を通して多くの人に届くことだろう。
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