傾聴ボランティア「ラポールの会」で会長を務める 高橋 美帆さん 入谷在住 71歳
気長に傾ける耳と心
○…誰にも言えない悩み、うっぷん、不安、悲しみ。それらにひたすら耳を傾ける”傾聴”。おしゃべりとは違って、相手の目を見てうなずき、質問された時だけ自分のことを話す。3年前に傾聴ボランティア”ラポールの会”を立ち上げ、今年9月からは毎月第1木曜日に電話での傾聴ボランティアを開始。サニープレイス座間の一室で受話器に向かう。「年齢制限はなし。楽しいうれしい、でも伝える相手がいない、なんて方も大歓迎ですよ」
○…与えるのは解決策でなく、自分で立ち上がる力。思いを言葉に並べることで、気付きや納得が生まれる。「ひとりでも多くの方の心を開いてあげたい」。会の立ち上げから3年は、17人の会員とひたすら勉強を積んだ。聞く技法やうなずき方、手の仕草、1対1のロールプレイ。満を持して開設した電話ボランティアに「いよいよ実践の場です」と意気込み、最近では介護施設にも積極的に足を運んで”聴き役”に徹する。
○…故郷にある北海道大学を卒業後、3年間のカナダ留学を経て、31歳で帰国し上京。就職した会社で、定年まで生命科学研究ひと筋だった。「あきらめない性格。新発見に出会う瞬間に楽しさを感じた」。アルツハイマー病の原因を探るなかで、薬品開発と同じくらい重要だと悟った心のケア。定年後は「誰かのメンタルケアを通して地域に役立ちたい」と傾聴を知った。産業カウンセラーの資格を取得し、市生涯学習フェスティバルでは講座を任された。キャリアコンサルタント、心理相談員などの顔も。
○…植物好き。谷戸山公園の自然観察指導員を務め、草花の生育過程や外来種による環境変化などを調査する。もともとハイキングが趣味で、尾瀬を訪れてから保護の視点をもつようになった。「猫の額ほど」の自宅の庭には、植えすぎた木が茂っているんだとか。「鉢ではなく自然の土に生えた方がいい」。ありのままの声に耳を傾ける。
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