市内の生産農家「グループAOKI」の代表を務める 北井 夏生さん 座間在住 68歳
ふるさとの味がいちばん
○…市内の生産農家3人で構成される「グループAOKI」。座間市で地産地消を広めようと2年前に結成され、それぞれの苗字の頭文字をとってグループ名をつけた。市公民館を拠点に活動し、季節に合わせた身近な郷土料理を作る「郷土の食文化講座」の講師を務める。太巻き作りやよもぎ団子作りでは市内で収穫した野菜などを使う。毎年楽しみにしている人も多く、キャンセル待ちになることも。男性や若い人も多く参加し、「食への関心も増えている」と嬉しそう。
○…もともとは「地域の人と横のつながり」を持つことや、外部との交流を図りたいと入った農協の婦人部がきっかけ。新しい野菜の調理法を試したり、農地への視察を経験した。その後、農産物を利用して地域活動を行う「八華会」に入り、その有志で結成したのがグループAOKI。「同じ年代で何でも話せる」ことが魅力だという。市内の小学校での郷土料理の実習など、子どもたちとの交流も楽しみのひとつだ。
○…茅ヶ崎市の出身。家族5人で暮らす。高校を卒業後は「華の丸の内」と今でも思い出す東京で、旅行会社(現JTB)に勤めていた。同じ学校でも就職できたのはひとり。東京オリンピックや新幹線の開通など経済発展が著しかった時代。「始発のバスや電車を乗り継いでの通勤も、大変だったけど、すごく楽しかった」と昨日のことのように懐かしむ。
○…農家の技術を地域に発信しようと、ふるさとの生活技術指導士として味噌作りを教える。自宅でも夫が作った大豆を使い昔ながらの大きな釜でじっくり時間をかけ、毎年1tほど作る。味噌は市内の学校給食で振舞われるほか、旭小学校では児童と一緒に実習も行い「みそのおばちゃんと呼ばれる」と嬉しそう。また、お客さんとの会話が楽しみな、朝市やイベントで販売もしている。忙しい毎日を「生活にはりがあっていい。若くいられる」と微笑む。
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