若手美術家を発掘する展覧会「アール・デビュタントURAWA2012」に選ばれた 渡辺 由起さん ひばりが丘在住 25歳
一筋に思いを追求
○…8月に埼玉県浦和市で開かれ、若手美術家を発掘する展覧会「アール・デビュタントURAWA2012」。全国各地の応募の中から9人が選ばれた。「まさか選ばれるとは思わなかった」と話す。自身は10点の日本画を出品する予定。他にも、水彩や油彩など「刺激を受ける」という作品が数多く並ぶ。
○…幼い頃から絵を描くことが好きだった。「人に喜ばれるのが嬉しかった」という思いが、さらに意欲をかきたてた。高校の教師の影響や、美術部での活動を通して、美術への道を決めた。2年間の浪人生活を経て入った武蔵野美術大学では、岩や泥などの自然素材の絵の具を使うことに魅力を感じ、日本画を専攻。予備校時代にアルバイトで貯めたお金は、全て画材へつぎ込んだという。座間から東京の小平にある学校まで通い、家には帰って寝るだけ。毎日、朝から晩まで描き続けた。納得できない作品もあり、悔しくて泣いたことも。ただ燃え尽きるまでやりきったことは、大きな糧になっている。
○…相談したり、アドバイスをくれるという母と妹、絵が好きな父と4人で暮らす。児童文学でイメージや想像力を膨らませ、特に「赤毛のアン」がお気に入り。元気が出る内容で、絵を描くエネルギーになるという。また無駄な作業が多いのを改善したいという思いから、時間の活用の仕方などの自己啓発本も愛読する。
○…現在製作しているのは、8月に東京で行われるコンサートのプログラムの表紙絵。演奏曲「火の鳥」をイメージし、繊細さの中に力強さを表した鳥を描く。あらゆるものに魂が宿るという「アニミズム」を感じる鳥は、多くの作品に登場する。卒業制作では150号の大きさで孔雀を描き、今もそのテーマ性を追い求める。「めまぐるしい毎日」を通して、吸収したことを絵で消化する。「人に癒しを与え、包みこむ絵」を目指し、思いを発信していく。
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