創立15周年を迎えた絵画サークル「よつば会」の講師を務める 潮田 英彦さん 緑ヶ丘在住 81歳
「芸術で人間は生き直す」
○…市公民館を拠点に活動する絵画サークル「よつば会」で、設立時から講師を務めている。創立15周年を迎え、記念の絵画展を開催。15人のメンバーの他、OBの作品も含めおよそ80点を展示する。油彩や水彩、花や人、廃車などテーマやモチーフもそれぞれ違う。「個性はお互いの刺激になる」と、意見交換も活発だ。
○…中学校で恩師と出会い美術部に所属。以来、絵を続けてきた。美術団体の創元会へ所属し25年。会社勤めをしながらも活動を続けた。現在は、秦野市でもカルチャースクールの講師を務め、日展への出品や個展の開催など幅広く活動する。「芸術で人間は生き直す」という信条のもと製作に励み、想像力を大切に描く。東日本大震災後には「巨大化のМIМE(マイム)」と題した100号になる作品を製作。津波や原発、自然の脅威などを、道化師に見立てた自画像や象で表し、一つひとつに意味を持たせ「思い」を込める。ただ「見る人に強制するのではなく、自由に感じ取ってほしい」と願う。市内の芸術家の団体「アーティストファイル」に所属し、市での美術発展にも力を注ぐ。
○…福岡県の出身。座間へ移り住み40年以上が経つ。進学を機に上京し法学部へ進む。大学では、球技が苦手という理由からフェンシングを4年間続けた。高度経済成長期の中、金融関係の仕事に就き「議論」することで日本や自分たちが向上すると考え、社内で活発に論じ合ったという。妻とのオペラ鑑賞や、クラシックなど音楽で気分転換も。「セリフがわからないのが良い」と、オペラをBGMに絵を描くときもあるという。
○…80歳を越えた今、「老人の頑固さや偏屈を、ユーモアに絵にしたい」と若い人たちの負担にならないよう、お互いのプラスになる生き方をしていきたいという。「かえりみて己を知るべし」という、歌人会津八一の言葉を胸に最大の生きがいである絵を描き続ける。
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