座間市文化協会の会長を務める 横谷 光男さん 座間在住 75歳
慎ましく、着実に
○…市内20の団体が加盟する座間市文化協会の会長を務める。9月14日から開催される「座間市民芸術祭」の取りまとめ役もこなし、忙しい日々を送る。協会の所属団体は俳句に歌舞伎、山野草など様々。「志す道は違うが良い地域にしたい、という目標は皆同じ。だから難儀を感じたことはありません」と断言する。会長職に就いて4年になるが「本当に頑張っているのは各団体の皆さんと、全面的なバックアップをして下さる市の職員さんだから」と、謙虚さをつらぬく。
○…座間に移り住んだのは1965年。当時は田園風景が一面に広がっていたが、数年のうちに住宅開発が進み、常に子どもの声が絶えない賑やかな土地へと変わった。新住民が増え、徐々に以前のような地域連携を図ることが難しくなった。「近所、というだけでは無理でも、共通の趣味や志を持った人同士なら、世代を超えて深い交流ができるのでは…」。そんな住民たちの思いから70年に市文化協会が設立され、現在もその理念を保っている。
○…俳句が趣味で、市俳句連盟の会長も務める。俳句帳を常に持ち歩き、多い時には数百句を1カ月で生み出す。詠むのは主に自然をテーマにした「有季定型」の句。「何か詠もう、とは思わず、散歩などでふと浮かぶことが多い」。道端の草花、空を泳ぐ秋の子燕――。何気ない風景を切り取っては17字に込める。「まだ思うような句は生まれていないんですよ、まだまだです」と照れたように笑う。
○…協会の創立から40年以上が経った。「今、座間の文化を支えている人の多くは、かつて『新住民』と呼ばれていた人々。子どもの参加も多い」。少しずつではあるが、当初の目標に向けて前進していると実感している。「これまで、本当に多くの方の支援を頂いたから、今度は少しずつお返しする番です」。あくまで主役は会員、と言うが、地道な積み重ねは確実に足跡を残している。
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