座間市から須賀川市に寄贈された、ひまわり手描き友禅を手掛けた 佐波古(さはこ) 直明さん 立野台在住 44歳
開花を信じ、コツコツと
○…「座間への恩返しだと思って」―。11月10日に座間市と国内友好都市となった福島県須賀川市。座間から須賀川へ贈られた、「ひまわり手描き友禅」を制作した。本家がある福島県は縁の深い土地。2011年に須賀川の伝統行事「松明あかし」に座間の神輿が参加した時は、その正面に飾る社名旗も手掛けた。友好都市締結に華を添えたことについて「うれしいですね」と目を細める。
○…作家の個性が反映される、自由な作風が特徴の「東京手描き友禅」の伝統工芸士。子どもの頃から絵や工作が好きで、高校卒業後に東京染色美術学院に進んだ。同学院を卒業した後は、日本工芸会正会員・坂井教人氏に11年間師事。2001年に独立して「工房さはこ」を立ち上げた。しばらくは悪戦苦闘する日々が続いたが、「自分の生きがいはこれしかない」と自らを奮い立たせた。転機は2003年。染芸展の「東京都知事賞」を最年少で受賞。座間市教育委員会主催の個展には5日間で1600人が訪れたという。修業時代から13年間の努力が、開花した1年だった。父親の言葉「神様っているんだなぁ」は今も覚えている。
○…独立する前に結婚した妻、小学校5年生の娘、3年生の息子と暮らす。今は「家族を巻き込んでお神輿」と笑う。鈴鹿明神社神輿保存会「入谷睦」に発足当初から所属。11月3日の伝統芸能鑑賞の集いでは、娘が大勢の観客の前で神輿甚句を披露した。「子どもに先を越されてしまいました」とうれしそう。
○…大作になると、1年がかりで創作する。創作活動の過程は、趣味の山登りに通ずる部分があるという。「山を一歩一歩登るように一つ一つの作業をこなす。気を緩めれば失敗してしまいます」―。忍耐強く、着実に、コツコツと日々を送る。今の夢は、座間市民に、自分が手掛けた着物を着てもらうこと。「実現したら、すごい幸せです」と目を輝かせた。
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