入谷で画廊「ギャラリー・アニータ」を営む工藤恒子(つねこ)さん(75歳)と、夫で1月1日に亡くなった實(みのる)さん(享年78歳)による夫婦展が、あす1月11日(土)までハーモニーホール座間で開かれている。夫婦の作品が一堂に並ぶ、「最初で最後の展示会」だ。
工藤さん夫婦は1962年に結婚。1965年から立野台で暮らしている。
實さんは1963年に武蔵野美術大学商業デザイン科を卒業。広告代理店や理美容化粧品製造会社に勤めていたが、1997年、手足の震えやこわばりなどを引き起こす難病・パーキンソン病を発病する。闘病生活を送るなか、2004年から描き始めたのが自画像だった。
椅子に座りながら、イーゼルに載せたキャンバスに筆を走らせた。油絵が多いが、症状が悪化した時はテーブルの上で水彩画も描いたという。入退院を繰り返し、2010年の秋頃から創作が困難になったが、それまでに制作した作品は150点以上にのぼる。
恒子さんは2007年に座間駅近くに同ギャラリーをオープン。夫を支えながら、2009年からはコラージュ制作に取り組むようになった。コラージュとは、切りぬいた写真や印刷物を様々に組み合わせるアートの一種で、恒子さんは新聞のカラー広告を素材として創作に励んだ。
惚れ込んだ作品
恒子さんが、夫婦揃っての展示会を思い立ったのは昨年の秋。「半世紀近く住んでいる座間の人たちに作品を見て欲しい」という想いからだった。實さんにも開催を伝えると、うなずき意志を示してくれた。
1月7日の開催初日まで残りわずかという今月1日、實さんが亡くなった。「展示会の様子を見せられると思っていたけど」――。突然の訃報にも恒子さんは準備を進め、友人や家族の協力のもと開催にこぎつけた。
展示会では、自画像およそ110点、コラージュ25点を展示している。夫の作品について恒子さんは「惚れ込んでいます」と一言。「技術の巧拙などにとらわれず、自分の気持ちを素直に表現した作品ばかり。1つとして同じ顔はありません。座間の人たちにぜひ見て欲しい」と語っている。
会場は同ホール1階のギャラリー。入場自由。午前10時から午後6時まで(11日は5時終了)。
問い合わせは恒子さん【携帯電話】090・7422・1732へ。
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