座間市消防本部 「超高齢化」に対策 認知症患者への現場対応学ぶ
市消防本部は今月10日と11日、隊員を対象とした認知症高齢者への対応を学ぶ講習会を初めて開催した。高齢化が進み、救急搬送された傷病者のうち、高齢者が占める割合が47・3%と約半数に迫る座間市。同本部は市介護保険課と連携を図り、現場で活かせる知識を得たい考えだ。
去る3月11日。消防本部の一室で、消防職員らが市介護保険課職員の話にじっと耳を傾けた。集まったのは救急・救助・消防の隊員ら。認知症をテーマに、座学とグループワークで現場対応を学んだ。
現在の座間市において、全人口のうち65歳以上の高齢者が占める割合を表す「高齢化率」は21・1%。2004年には13・2%だった高齢化率は徐々に増加し、WHOなどが定める「超高齢化社会」の基準となる高齢化率21%を昨年に突破した。
超高齢化の波は、救急等の現場にも影響を与えている。座間市内の搬送傷病者のうち、65歳以上の高齢者が占める割合は47・3%(2012年時点)。2004年からわずか8年で1・5倍近くになった。
認知症高齢者への対応も、大きな課題の一つだ。市によると、2012年に救急搬送された認知症推計者は330人で、全体の7・1%にあたる。
緊急を要する現場で認知症の人と接した際にどう対応し、コミュニケーションを取ることが望ましいのか。講座の終盤には話し合いが行われ、隊員が意見を出し合った。「アフターケアを重視するべき」「自分の身分をはっきりと明かし、ヘルメットをとって話せば相手も安心するのでは」――。マニュアルには載っていない、現場ならではの意見が飛び交っていた。
参加した隊員は「知ることで意識も高まる。今後、私たちが市民に向けて認知症理解への啓発をできれば」と話していた。
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