神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
座間版 公開:2014年4月18日 エリアトップへ

3月に完成した座間市教育史の調査・編集を務めた 大谷之彦(ゆきひこ)さん 緑ケ丘在勤 79歳

公開:2014年4月18日

  • LINE
  • hatena

先人の想い、ひも解き綴る

 ○…町中にある小さな石碑や、人為的に掘られたと思しき大きな溝――。多くの人が何気なく見過ごす風景の中に、地域の歴史をひも解くヒントを見つける。「そこに先祖からの繋がりを感じることができるのが、郷土史の魅力」。様々な場所に行き、資料を読み込んで痕跡を追ううちに、そこに暮らした先人たちのはつらつとした姿や、しょぼくれた表情が目に浮かぶ。市の文化財調査に携わり36年。未だに壁にぶつかることも多いが、「やっぱり、楽しいね」と相好を崩す。

 ○…東京都に生まれ、戦時中の中野で少年期を過ごした。終戦を迎えたのは、小学5年生の8月。これまでの「常識」が、一夜にして崩れ去った。「教科書には墨を引かされて。整った学習環境とはとても言い難かった」。幼い頃から歴史好きで、一度は歴史学者を志したが「せめて下の世代には、整った環境で心行くまで勉強をさせてあげたい」。そんな気持ちから社会科の教師を選んだ。「当時の座間の小学生たちは、とにかく熱心で。木造校舎の床はいつもピカピカで、覗くと顔が映り込んだ」

 ○…転機は、座間市制が制定された1971年。小学生向けの副読本「わたしたちの座間」の編集責任者に抜擢。郷土の歴史を調べ上げ、子ども向けにまとめ上げた。その時の縁で、78年に市文化財調査委員に任命され、教職をこなしながら長期休暇返上で働いた。定年後、市教育研究所教育史調査員に非常勤特別職として採用された。

 ○…3月に、13年の歳月を費やした「座間市教育史」の第1巻が、ようやく完成した。かつて「気品ある教育尊重の町」と呼ばれたそのルーツを辿り、1冊にまとめた。「年々、資料となる石碑や文献は失われる。でも、それらの資料は読み取り方によって無限の可能性を見せる。それらを市の書籍として残すのが、私の役目」。先人たちに思いを馳せ、座間の歴史を地道にひも解いていく。

座間版の人物風土記最新6

笹岡 泉さん

フェイスブックページ「We Love Zama」のタウンリポーターを長年務める

笹岡 泉さん

緑ケ丘在住 70歳

1月31日

松田 恵三さん

28日(火)まで行われている第3回「座間市民写真展」の実行委員長を務める

松田 恵三さん

栗原中央在住 80歳

1月24日

永野 貴義さん

高座クリーンセンター環境プラザの施設長として施設の情報発信に力を入れる

永野 貴義さん

46歳

1月17日

増田 修孝(のぶたか)さん

1月1日付で(一社)座間青年会議所の理事長に就任した

増田 修孝(のぶたか)さん

栗原中央在住 38歳

1月10日

出口 有加さん

市内で出版社「犀(サイ)の工房」を営む

出口 有加さん

四ツ谷在住 38歳

1月1日

徳永 誠さん

座間市立市民交流プラザ「プラっとざま」の所長を務める

徳永 誠さん

座間市在勤 57歳

12月13日

あっとほーむデスク

  • 11月8日0:00更新

  • 11月16日0:00更新

  • 4月20日0:00更新

座間版のあっとほーむデスク一覧へ

バックナンバー最新号:2020年1月31日号

お問い合わせ

外部リンク